1.はじめに
私は大学卒業後、ソフトウェア会社にプログラマーとして入社ました。
しかし、わけあってプログラマーを退職し、その後は北海道で漁師としてはたらいていました。
漁師として働いた後は、東京の専門学校でITインフラを学びました。
そして現在、Avintonの一員として最先端技術の一つであるKubernetesに携わっています。
このブログでは、紆余曲折しながらも、最先端の技術を扱うインフラエンジニアになった私のストーリーと、これまでの学び、そしてこれからを語っています。どうかお茶でも飲みながらゆるりとした気持ちでお読みください。
2.経歴
私は大学で機械工学を学び、卒業後はソフトウェアの会社にプログラマーとして入社しました。会社ではプログラマーとして既存ソフトウェアの画面作成業務に携わる一方、開発部署全般の電話応対をしていました。
電話の多くはシステムの障害に関するもので、お客様やシステムエンジニアから「データベースにアクセスできない」「ソフト同士の連携ができない」といった内容のものでした。これらの多くは、要件定義時のネットワーク設計のミスによるものが多く、ソフトウェアを変更して対応することも難しい状態でした。
多くの障害を抱えるお客様、対応したくてもできない開発部署、そして要件定義を行っているシステムエンジニアの板挟みの状況に耐えきれず、退職しました。プログラマー卒業後は、北海道で漁師として働いていました。
「街から離れて自然に近い場所で働こう」という思いがあり、大学時代にアルバイトの経験がある漁師の仕事を選びました。漁師として働きながら、「どうすればお客様の要望に応えられたのか」「どうすれば正しい要件定義と実装ができたのか」を自問自答していました。
自然と触れ合い、体を動かす仕事についたことで、自分や他のエンジニアが置かれていた状況を、時間をかけて冷静に見つめなおすことができたと思います。
また、ただ働くだけでなく、ヨットやボートなどのアクティビティに参加し、実際に船を操作したり、並走して写真を撮影したりしたことも、よいリフレッシュになったと感じます。
次第に私は、ネットワークやサーバーなどのITインフラに関する知識が不足したまま、要件定義や開発を行っていたことが、問題の原因にあると考えるようになりました。当時の私にはITインフラの知識が全くありませんでしたし、多くの若手エンジニアも同様だったと思います。
私は「ITインフラを勉強してIT業界で働きたい」と考えるようになり、東京の専門学校で学びなおすことを決意しました。私は日本電子専門学校ネットワークセキュリティ科に入学し、サーバーやネットワークなどのITインフラを二年間学びました。学校の勉強でインフラの奥深さを感じ、将来はサーバーとネットワークの両方の技術を扱うインフラエンジニアになりたいと考えるようになりました。
そして、クラウドやKubernetesなどに携わることで、サーバーとネットワークの両方に関連した技術を扱えると考えました。
3.Avinton入社理由
最初にAvintonを知ったのは、専門学校主催の説明会です。多くの企業がブースを出展していましたが、その中で「Kubernetes」「クラウドネイティブ」「エッジAIカメラ」というキーワードを掲げるブースがあり、それがAvintonでした。
大学生や専門学生の就職活動で、「Kubernetes」を目にすること自体が珍しいです。私はクラウドやKubernetesに興味関心があったため、説明会でAvintonに出会えたことはまさに「渡りに船」でした。
また、Avintonアカデミーを見て、エンジニアのスキル向上のためのトレーニングを実施していると感じました。説明会後に行われたカジュアルな面談や技術説明会に参加し、Avintonにますます興味を持つようになり、入社を志望しました。
4.入社後のトレーニングと実務
4月に入社した後は、Avintonアカデミーを進めつつ、LPIC2を取得しました。5月中旬ごろにアカデミーの基本講座を完了し、その後はプラットフォームに関連する学習に取り組みました。
minikubeを用いてポッドやサービスなどの基本的なコンポーネントを実際に学習し、最後にはアカデミーで作成したwebアプリケーションのデプロイを行いました。
Kubernetesの学習には『[Kubernetes Up & Running』を参考書として活用しました。6月からはPlatform teamへ配属され、より本格的な研修・実務がスタートしました。検証のためのKubernetesクラスタを社内サーバー上に作成し、同時にCephクラスタをKubernetes上に作成しました。
次にPrometheus , Elasticsearchなどの監視ツールをデプロイし、運用環境を整えました。このKuberenetes環境を使用して、主に開発環境に使用するツール・ワークロードの調査と検証を担当しました。
さらに、社内のAvinton Data Platformクラスタの監視業務を担当しました。
研修・実務を進めるうえで、リードエンジニアのJamesさんをはじめチームの先輩方、から多くの助言やサポートを受けました。学習方法や実務の進め方、具体的な技術内容など、幅広い支援をいただきました。
単なるクラスターの設定方法だけでなく、その機能の必要性や求められる背景についても理解を深めることが重要であると学びました。
5.トレーニングと実務の感想
Kubernetesの構築から基本的な運用まで携われたことは、私にとってかけがえのない経験でした。ワークロードの仕様を調査し、運用上必要な設定を自ら発見した時は嬉しかったです。
自分が調整したWebアプリケーションがホームページ上で動作したときの達成感は大きかったです。最も嬉しかったのは、インフラ・プラットフォームの最先端技術に関われたことです。この経験に感謝しています。
そして、Kubernetesに関わることで、コンテナやAPI、CI/CDなどの周辺キーワードについても理解を深めることができました。
6.最新のプラットフォーム技術
Kubernetesがコンテナ管理技術のデファクトスタンダードになりつつあり、Kubernetesの派生が多く登場しています。その中で、IOT機器上で動作する軽量なKubernetesであるK3sやK0s等は、特にIOT領域で注目されています。
さらに、Kubernetesそのものも、日々進化しています。特にKubernetesのロードバランスやサービスメッシュに関連する技術は、常に注目されているものの一つです。
最近では、より多くのアプリケーションレベルの機能をクラスタに提供するAPIゲートウェイや、eBPFを使用してカーネルレベルでサービスメッシュを実現するCilliumが登場しています。
7.エンジニアとしての今後
新しい案件として、開発環境として使用されているKubernetesクラスタの保守・運用のプロジェクトに参画します。
Prometheusによるモニタリングのパフォーマンスの向上や、Istioのトラフィックコントロールの設定などが具体的なタスクとなります。
これまで身につけたKubernetesの知識と技術を活かすことができ、自身の技術レベルより少し高いレベルの内容の案件であったことから、ぜひ参画したいと考えました。
そして引き続きKubernetesに関わるとともに、ネットワーク・ソフトウェア・基盤についての理解をさらに深めたいと考えています。マイクロサービス化され、クラウドネイティブに構築・運用されるコンテナ群を扱う場合、ネットワーク・ソフトウェアの基礎知識は必ず必要になります。
コンテナがハードウェアの種類・所在にかかわらず安定して動作しなければいけないことを考えると、クラウドやハードウェアなどの基盤の知識もあるに越したことはありません。
習得しなければならない技術範囲は広大ですが、アプリケーションやサービスが一層クラウドネイティブになることを考えると、必要不可欠な学習であると考えています。
8.真鶴農業体験と趣味について
現在、Avintonエンジニアの有志が集まり、神奈川県真鶴町にて農業体験の活動を行っています。作物の種植えはもちろんのこと、畑周辺のインフラ整備やリモートで作物の生育状況をモニターするシステムの構築など、活動の内容は様々です。
私は趣味のカメラを活かして、写真の撮影を担当しています。このような活動を継続して行えることも、Avintonの素晴らしいところだと思います。
最近は、先日会社で開催した全社の忘年会の写真撮影も担当しました。普段は見ることのできない、皆さんのいきいきとした姿を写真に収めることができ、とても良かったと思います。
今後とも公私問わず、カメラを活かして貢献することができれば幸いです。
9.まとめ
Kubernetsの習得は、容易ではないと思います。日本語の資料は少なく、Kubetenetesそのものが複雑であると同時に日々アップデートにより進化しています。その分達成感ややりがいは大きく、IT業界における重要性も大きくなりつつあると考えています。
以前から持っていたサーバーやルーターの知識、そしてAvintonアカデミーでしっかりと学んだことは、私がKubernetesを理解する上での重要な基盤になったと思います。これからもKubernetesの技術を継続的に学び、将来はクラウドネイティブ時代を牽引するエンジニアの一人になりたいと願っています。
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