つい先月の2017年9月、テスラモーターズやSpaceXの創業者Elon Musk(イーロン・マスク)が、自身のTwitterにて「人工知能(AI)開発に向けた国際的な競争が第3次世界大戦(WW3)に発展する可能性が高い」と発言して話題になりました。
China, Russia, soon all countries w strong computer science. Competition for AI superiority at national level most likely cause of WW3 imo.
— Elon Musk (@elonmusk) 2017年9月4日
AI競争が第3次世界大戦に発展するおそれ、イーロン・マスク氏が警告 – CNET Japan
Elon Musk: Artificial intelligence may spark World War 3 – CNET
これ以外にも、イーロン・マスクは人工知能・AIによる侵害を懸念し、その脅威について度々警鐘を鳴らしています。イーロン・マスク以外のIT業界のトップや有識者の間でも、人工知能・AIとの関わり方に対する意見は様々です。
この問題について、あなたは自分の立場を明確にし、はっきりと意見を言えますか?まだ深く考えたことがない人のために、TED Talkを通じて、どのような意見があるか見ていきましょう。
悲観派: AIの反乱に備えて準備しておくべき
Sam Harrisは哲学者かつ神経科学で、複数の著書はいずれもベストセラーです。
映画「I, Robot」には、高速道路でロボットの大群に襲われるシーンがありますが、そのようなデフォルメされた極端な形ではないにせよ、人間よりも遥かに優れた人工知能・AIを作ってしまうと、人間と機械の目的のほんのわずかなズレによって人類が破滅しかねないといいます。
さらに、 第二次世界大戦中にアメリカ・イギリス・カナダが科学者、技術者を総動員して原子爆弾開発・製造を行った「マンハッタン計画」のようなものが、人工知能でも必要だと主張しています。
楽観派: AIが人間を支配するようなことはない
Grady Boochはアメリカ合衆国のソフトウェア技術者で、IBM のラショナル部門の主席技術者です。
子供の頃、劇場公開されたスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」に触発されると同時に、人間の命よりもミッションを優先させるHALを見て、人間に無関心な感情のない人工知能に支配される恐怖を感じたといいます。
しかし、自動車や電話機でさえ、普及当時は恐れられ、どんな新技術も常にある程度の怖れは 引き起こすものです。
「ターミネーター」のスカイネットのように、世界中のあらゆるデバイスを操るような人工知能は存在するはずなく、もしそのような人工知能が存在し、人間の経済と競合してリソースを人間と取り合うようなことになれば、最終的には電源プラグを抜けばよいとのこと。
共存派: AIと人間ができること・できないことを知り、共存する
現在は政治家のGarry Kasparovは、アゼルバイジャン出身の元チェス選手で、15年もの間、チェスの世界チャンピオンのタイトルを保持し続けました。IBMが開発したチェス専用コンピュータディープ・ブルーと対戦した、人類の代表としても有名です。
プレゼンの中で語られる、ディープ・ブルーとチェス盤を挟んで対峙する気持ちや、チェスという分野のプロフェッショナルとして、長きに渡り業界の趨勢を見続けてきた上での考えは、彼にしか語れません。
大切なのは、機械の計算能力・客観性と、人間の理解力・目的意識・情熱を組み合わせることと、それぞれに可能・不可能なことを知ることだと説きます。また、「テクノロジーから最高の恩恵を享受したいなら、恐怖心と向き合わなければならない。人間性から最高の恩恵を享受したいなら、恐怖心を克服しなければならない」という主張には、経験に支えられた説得力があります。
まとめ
TED Talkでは、それぞれの有識者が展開する、各々の立場や経験に裏打ちされた多種多様な意見を、プレゼンテーション形式で視聴できます。
まずはTED Talk・新聞・ネットニュース等で情報を集めるのが第一歩ですが、それだけでは人工知能・AIについての見識はなかなか深まりません。得た知識や情報を元に、新たな活用法やプロダクトの発明にも挑戦してみましょう。
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