Avintonは、これまで機械学習を用いたサービスを自社開発・提供してきました。
機械学習を用いて社会問題の解決に貢献すべく切磋琢磨しています。
現在も新しいプロジェクトが動いており、エンジニアたちは試行錯誤を繰り返しながら、最善のサービスを提供できるよう取り組んでいます。
以前のブログ記事でAI/機械学習システム開発事例についてご紹介しましたが、
今回はさらに詳しく、そして最新のプロジェクトをご紹介します。
1. 機械学習で不動産市場調査サービス
「今日もっとも投資する価値のある不動産はどれか?」という疑問を解決します。
過去10年間(100万行以上)の日本の不動産売買実績データを使用し、地理情報システムを元に、不動産の賃貸データを分析します。
さらに、ビルの種類や築年数ごとの不動産価格の表示が可能になっています。
建築物の劣化と評価額の相関トレンドを分析し、年単位で不動産価格を知ることができます。こちらに、県・自治体ごとの不動産価格の遷移を可視化したGISアプリケーションのサンプルを公開しています。
地図上の気になる都道府県をクリックするだけで、その土地の不動産価格の変動がわかるようになっています。
不動産資産償却と家賃収入の最適なタイミングを見極める、投資家様のための参考情報提供サービスとして活用していただけます。
2. 機械学習でオンラインバナー広告表示サービス
私たちもウェブサイトを見ていて、必ず目にするバナー広告。
どのバナーをどの顧客にいつ表示するべきか、バナーのクリック率にもっとも影響がある要素を分析し、バナー表示を最適化させたい顧客は多いです。
ですが、考慮すべき項目は、年齢・国・閲覧履歴・ドメイン・・・など多岐にわたりその分変数も多くなります。そのため、通常の統計的アプローチでは処理が困難です。
Avintonは、以下の技術を用いて、バナー表示の最適化を自動化できるシステム開発に取り組みました。
- 変数分類
- Leakage
- マイノリティ合成によるオーバー・サンプリング
- K-meansクラスタリング
- 2クラスブースティング決定木
- 畳み込みニューラルネットワーク
など
これらの機械学習に関する知識・技術をフル活用し、クリック率を21%上昇させました。
3. 機械学習を活用したヘルスケアサービス開発
今日、機械学習での画像分類技術は様々な場面で実用化されています。
Avintonでは機械学習を用いた画像分類の技術を医療に活かすプロジェクトにも参画しています。
医療用画像分析の例として、
- ガン検知
- 異常検知
- スキャン画像の精密な時系列比較
- 虫歯検知
- 細かい骨のヒビの検知
- 稀な病状などの検知
医療用画像を読むには何年ものトレーニングと経験が必要になります。
分析を自動化することで、コストを下げつつ高い価値のある治療を患者に提供することが可能になります。
4. 機械学習を活用した無線ネットワーク最適化
機械学習を用いてSON(Self Organizing Network)の概念を応用し、
ネットワーク基地局の位置、パラメーター設定、過去のパフォーマンスの履歴をインプットとしてシステムを構築しました。
パフォーマンスの結果を継続的にシステムにフィードバックし、自動で基地局のパラメーターをチューニングすることで、ネットワーク品質の継続的な向上を実現させました。
先ほど述べた地理情報システムの分析に加え、主流の機械学習技術を採用
従来の無線ネットワーク最適化の手法では実現不可能なレベルで無線ネットワークのKPI改善が可能になりました。
5. 機械学習で画像分類
nception-V3の転移学習(ImageNetに基づく)にCNN(畳み込みニューラルネットワーク)そして、
K-meansクラスタリングとTensorFlowを利用し、開発しました。
比較的少ないトレーニングサンプル(〜300犬種、30,000個程度の画像)で高い学習効果を発揮します。サンプルとして、犬の画像をドラッグ&ドロップするだけで犬種を識別できる、「Dog Face Classification」を公開しています。ぜひ実際に試してみてください。
この技術を用いて、様々な画像分類の課題を解決することができます。
6. 機械学習による音声分析
鳥の鳴き声分析
鳥の鳴き声を聞くだけで、鳥の種類を知ることができたら・・・と思ったことがこのプロジェクト始動のきっかけです。
- 適応ノイズ除去フィルタ
- 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
- クラスタリング
- 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform・FFT)
などの技術を用いて、機械学習を用いた音声データ処理を行う社内実験目的で行われています。
環境音の分析
夜間の住宅地の騒音問題は、解決すべき優先度の高い課題です。
騒音の元となっている音を特定することが騒音緩和のキーとなります。
Avintonエンジニアが、ラベリングされた長時間のサンプル音を利用し、機械学習モデルが自動で、個別の音の要素を分類できるようトレーニングを行いました。
それにより、それぞれのデシベル値を取得することができるようになり、現在では、
- トラック
- パトカー
- バイク
- ヘリコプター
- 飛行機
などの音を自動認識できるようになっています。
今後も性能のブラッシュアップをしていき、環境問題解決にいち早く貢献できるよう、エンジニアたちが試行錯誤を繰り返し、最善の製品を提供できるよう取り組んでいます。
まとめ
Avintonは機械学習を用いたプロジェクト、機械学習エンジニアの育成に力を注いでします。ここでは紹介しきれない、現在まさに進行中のプロジェクトもあります。
ベテランエンジニアだけでなく、若手エンジニアもプロジェクトに参加し、トップレベルエンジニアの元で、実践から技術・知識を学び、磨いていける環境が、Avintonにはあります。
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