データ分析を行うには、まず始めに有益なデータを取得し、そのデータを分析しやすくしたり、第三者に説明したりするために、グラフにして視覚化することが必要となります。
ここでは、プログラミング未経験者でも比較的簡単にデータの取得から視覚化を行うことができるPythonを使って、気象データを取得して取得したデータをグラフにする実例を示します。
気象データを使ったデータ分析は、商品の売上予測、再生エネルギーの電力予測、農作物の収穫高予測などで様々な分野で行われています。
Pythonを使うには
Anacondaを使うとPython本体だけでなくデータ分析に必要なライブラリーもインストールできます。Anacondaのダウンロード方法は、機械学習を用いた画像分類の記事内で説明しています。をご覧ください。Anaconda公式ページはこちらです。
気象データの取得
ここでは、Pythonライブラリのrequestsを使って簡単に気象データを入手できるPlanet OSを紹介します。
Planet OS
Planet OSは世界各地の気象データが集積されており、RESTful APIが提供されています。
Planet OSからデータを取得するには、アカウントの設定が必要です。名前とE-mailアドレスを入力するだけでアカウントの設定ができます。
アカウントを設定すると、データの取得に必要なAPIキーが割り当てられます。以下の制限において無料でデータを入手できます。
- 1日に100回までのAPIコール
- 1ヶ月に5GBまでのデータ転送
Pythonで以下のコードを実行すると、東京付近の気温の予測データを取得できます。
[code lang=python]
import requests
# “noaa_gfs_global_sflux_0.12d”は気象データのID
url = “http://api.planetos.com/v1/datasets/noaa_gfs_global_sflux_0.12d/point”
querystring = {
“lat”:”35.70″, # 緯度
“lon”:”139.80″ # 経度,
“var”:”Temperature_surface”, # 温度
“count”:”500″, # データ取得数
“apikey”:”xxxx” # xxxxはアカウント設定で取得したAPIキー
}
response = requests.request( “GET”, url, params=querystring )
[/code]
以下のJSON形式のデータが取得できます。
[code lang=bash]
{
“stats”: {
“offset”: 0,
“count”: 500,
“timeMin”: “2017-12-23T12:00:00”,
“timeMax”: “2018-01-08T12:00:00”
},
“entries”: [{
“context”: “reftime_time_lat_lon”,
“classifiers”: {
“reference_time”: “2017-12-23T12:00:00.000Z”
},
“axes”: {
“reftime”: “2017-12-23T12:00:00”,
“time”: “2017-12-23T12:00:00”,
“latitude”: 35.67197799682617,
“longitude”: 139.8046875
},
“data”: {
“Temperature_surface”: 282.5
}
}, {
・・・
[/code]
データの視覚化
上記で取得した気象データをPythonのpandasライブラリのプロット機能を使ってグラフにします。
最初にデータをpandasで扱えるようDataFrame形式に変換します。
1. JSON形式のデータをPythonで扱いやすくするために辞書型に変換します。
[code lang=python]
Import json
data = json.loads( response.text )
[/code]
2. 階層化されているJSON形式のデータを正規化(階層化されていない状態に)します。
[code lang=python]
from pandas.io.json import json_normalize
entry_data = json_normalize( data[‘entries’] )
[/code]
正規化を行うと以下のように階層化されていない平坦なデータとなり、pandasのDataFrameに変換できます。
axes.latitude | axes.longitude | axes.time | ・・・ | data.Temperature_surface |
35.67197799682617 | 139.8046875 | 2017-12-23T12:00:00 | ・・・ | 282.5 |
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
3. pandasのDataFrame形式に変換します。
[code lang=python]
import pandas as pd
df = pd.DataFrame( entry_data )
[/code]
DataFrame形式にしたデータはpandasのプロット機能を使って簡単にグラフ化できます。
横軸を時間、縦軸を気温のグラフを作成します。
1. データ取得時の時間データをdatetime64形式に変換します。
[code lang=python]
df[‘axes.time’] = pd.to_datetime(df[‘axes.time’])
[/code]
2. 気温データを絶対温度から摂氏に変換します。
[code lang=python]
i = 0
for temp in df[‘data.Temperature_surface’]:
temp = temp – 273.15
df.loc[i, [‘data.Temperature_surface’]] = temp
i = i + 1
[/code]
3. DataFrame形式のデータをグラフにプロットして画像ファイル「weather.png」に保存します。
[code lang=python]
df.plot( x=’axes.time’, y=’data.Temperature_surface’, figsize=(16,4) )
plt.savefig( “weather.png” )
[/code]
【参考文献】
・Planet OS(https://planetos.com/)の「Product Guide」
・「PythonとJavaScriptではじめるデータビジュアライゼーション」Kyran Dale著
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