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ここ数年続いたAIブームにより、開発力を持ったベンチャー企業が増えてきている一方で、導入はしたもののAIプロジェクトが思うように成果が出ずに悩まれている企業や「AI失敗事例」などの記事も増えてきました。
AI・ビッグデータプロジェクトで成果を出せる企業、そうでない企業、様々なパターンからビッグデータビジネスを特化領域として10年以上従事してきた当社だからこそお伝えできる、円滑なAI開発・事業化に向けて手を組むべきAI開発会社の7つの「見極めポイント」をご紹介します。
お客様の「AI活用によるビジネスゴール」を理解できる
企業のAI導入におけるゴールがAIによる予測精度をあげることや、人が行っていた業務プロセスをAIに置き換えてコスト削減を目指す、様々なゴールがありますが掲げた最終ゴールをパートナーと共有することが最も重要だと考えています。
これから加速するAI時代、最終的には多くの企業がデータドリブン組織を目指していることは間違いありません。
データをもとに最速で意思決定をする、ということが経営にとって最も重要なことの1つだと考えています。
あなたの会社のプロジェクトのPoC精度を最大化させるために、サンプルデータの指定をしてくるAI会社は危険です。なぜなら自分たちの技術力をお客様にみせることが目的になっている可能性があるから。
信頼のおけるAIパートナーならきっと、最終ゴールを理解した上でサンプルデータを拝見した時点でこのプロジェクトは成り立つのかどうか、数日もあれば回答してくれるでしょう。
そして更にレベルの高いデータサイエンティストなら、どのくらいの品質とボリュームのデータが用意出来たら、”検証前に検証が高い確立で成功するかどうか”を伝えることができます。
なぜなら彼らは常日頃からビジネスの現場でデータに向き合い、短期間で様々なアルゴリズムを利用し検証を繰り返し報告することを日常で繰り返しているからです。
そのAI会社の目的を確認してみてください。良いパートナーになれるAI会社は、あなたの会社のビジネス課題をAI以外の技術も視野に入れながら解決することを第一優先にしています。役員が上場やエグジットを目指したり、ライセンス販売を第一にしていないか、見極めてみてください。
データをみてAIができること、できないことを明確に教えてくれる
AI・機械学習システム開発の開発プロセス=AIモデル開発工程は、通常のソフトウェアシステム開発とは異なる部分があります。
ほとんどのソフトウェア開発では、「システムの最終形」や「ユーザー画面デザイン」など、具体的な完成物が決められ、その完成に向けて開発プロセスが進んでいきます。
それに対しAI開発は、「具体的な方針を作り開始するものの、その到達点が100%」になるとは限りません。これは「AI」がブラックボックスであり、データサイエンティストであってもその「結果」を導き出した条件・状態「なぜ?」を説明できないこともあるからです。
「ではAI会社が作るモデルを検証するにはどうすればいいのか?」というご相談も頂きますが一つアドバイスを致します。
テスト用のデータを学習用のデータとは別に保管してください。
テストデータとは、納品されたAIのモデルに対してお客様が使う最終テスト用のデータのことです。
たとえば在庫量を予測するモデルの検証の場合、2か月前までの在庫量データをAI会社に渡し、先月から今までのデータをテスト時にはじめてモデルに入れてみて精度を確認してみる、ということです。
データサイエンティストがあなたに不都合な真実を伝えてくれる
日々AI分野においても、新しい研究結果や論文が発表されています。理論はイノベーションを推進します。多くのアイデアは紙の上では見栄えは素晴らしいですが、実際のデータで結果を出すことができているかといえば、理論を検証するために用意された膨大なビッグデータとお客様のデータが同じような品質ならば可能性は高いです。しかし現実は非常に難しいです。
もしAIで課題を解決したいとお考えであれば、現実の課題解決に向き合いながら適切なバランスで最新理論を検証することができるベンダーを探してください。AIモデルで結果を出すことが重要で、最新のモデルを利用するかどうかは二の次です。
どの理論とアプローチが、お客様のデータに対して最も結果を出すことができ、価値を提供できるかどうかを真摯に説明してくれるベンダーが理想です。
熟練したAI開発者を選び、お客様はモデルの精度テストに集中することで時間も無駄にすることはありません。
そして、なぜ英語ができる技術者が必要なのか?
それは勿論、最新の技術論文やOpen sourceテクノロジーは英語でまとめられているからです。
あなたの会社の役員とAI人材の間のギャップを埋めるコンサルタントがいる
あなたの会社が大きければ大きいほど、そしてAIプロダクトを提供するのがあなたの親会社であればなおさら、AIプロジェクトを成功させていくには多くの人々のAIについての理解とプロジェクトへの賛同が必要になります。これは容易なことではありません。
そんな会社内のコミュニケーションや変化への対応にも慣れたパートナーであれば、プロジェクト途中にもAI推論結果および課題についての簡単なまとめレポートを快く提出してくれるでしょう。
少しずつでもAIプロジェクトが成果を出していること、最終ゴールに近づいていることを関係者が理解することで、きっとあなたのプロジェクトスポンサーも喜ぶはずです。
インフラの重要性とプロジェクトへの影響を理解している
1人がインフラ、データサイエンス、AIアルゴリズムの全てを理解していることは稀です。それぞれの専門知識を有した、高いパフォーマンスを出せる少数精鋭のチームを保有していることが理想的です。
例えば、インフラストラクチャーについての専門知識の重要性については、AIプロジェクトを商用化する、製品化する際に企業様にとって大きなコストになるのはソフトウェアライセンス費用(それを意図的に効果にしているベンダーを除く)ではなく、インフラコストです。
なぜならビッグデータを処理して推論学習するためには、GPUをのせた高価なインフラが必要不可欠だからです。そして万能なAIモデルというものは存在せずに、AIモデルというのはデータが増えたら増えるほど 再学習やチューニングをさせて精度向上が必要です。
その工程にもインフラコストがかかります。
そしてもし、あなたのAIパートナーが柔軟でスケーラブルなAI基盤を提案していないとするとそれも危険です。なぜなら、AIシステム開発では、短時間で多くの計算能力を使用し、一度に1つのレコードを利用しながら、何度も繰り返し、高速処理を行います。
ずっとインフラにワークロードをかける必要はないのです。
つまり、最適化されたインフラを設計構築できる力が必要です。
汎用ハードウェアで、パブリッククラウドおよびプライベートクラウド。オンプレミス;BareMetalおよびHadoopクラスターなど、お客様のニーズとセキュリティ設定にあわせてトータルコストを見積ることができるパートナーを選ぶことで、想定外のコスト増を防ぐことができます。
AIのアルゴリズムの外を理解していることは、AIシステムの実運用を考えた時に大切な技術になります。
特徴量からアルゴリズム選択の機械学習プロセスを自動化している
トレーニングデータを基にデータ分析や予測を行うために、様々な機械学習のモデルを利用することは一般的になってきました。
機械学習を用いてデータ分析をするには、前処理や特徴量選択、またアルゴリズムの選択やそのパラメータ決定など様々な作業が必要です。しかし、これらの作業は非常に多くの経験と知識が不可欠であり、その評価にも多くのリソースを必要とします。
経験豊富なAIベンダーであればこれまでの経験とノウハウ、エンジニアリング力を駆使し前処理やアルゴリズム選択など機械学習モデルの構築をパイプライン化して自動化しています。
つまりこれにより、お客様は短時間で機械学習の成果を確認する事ができるのです。
AI開発にパッケージソリューションはありえない!?テイラーメイドのソリューションを提案できる
ここまで読んでくださった方なら、もう既に勘付いているかもしれません。そう、AIソフトウェアというのはパッケージ化してあるものを買うことが最適ではありません。
なぜなら、あなたのユニークなデータをもとに、AIが学習しやすいようにデータプリパレーション、クリーニングし、モデル学習と検証を繰り返す。
ーつまりお客様のデータと課題設定ごとにAIモデルはユニークなものであるべきなのです!
世界の賢人たちが開発した、最新の無償で公開された誰でも使えるAI技術
ーOpen source なぜこれを使わないのでしょうか?
Microsoft、Google、Facebook、Amazonは人工知能システムを多額の研究開発コストとリソースをかけて開発し無償公開しています。
どんなものを公開しているのか?ぜひあなたの目で確かめてみてください。
- Amazon’s Alexa, the voice-command response system inhabiting the company’s Echo device, opened in June 2015;
- Google’s TensorFlow, the heart of its image search technology, open-sourced in November 2015;
- The custom hardware designs that run Facebook’s M personal assistant, open-sourced in December 2015; and
- Microsoft’s answer to these machine-learning systems, the prosaically named Computation Network Tool Kit, made public last month, the latest addition to the public’s library of options for AI systems.
あなたとって必要なこと、それはAIの概要を理解したリーダーです。
トップダウンでも現場判断においても、新しいテクノロジーを導入し成功に導くのに必要なのは強力なリーダーシップであることは間違いないです。
最後に
- あなたがAIで解決したい課題はなんですか?データがそれが実現可能かを唯一教えてくれます。
- 有名なAIベンダーやとにかく何でもこなしてくれるようなAIパッケージを足早に購入することはAIプロジェクトを失敗に導く危険性があります。
- AI開発とこれまでのシステム開発とではロジックが異なるため信頼のおけるAIパートナーを選ぶことが成功の鍵となるでしょう。
読んでくださっている方ののAIによるビジネス改革が成功することを心から願っております。
あなたがAIで解決したい課題はなんですか?まずはそれを一緒に考えてみましょう。
最も大切なことは、データをつかって解決したい課題の設定です。
データ分析には統計や機械学習の知識が必要となるため、非データ分析専門家が実用レベルの予測モデルを構築するためには専門研修や経験が必要となるのが現状です。
あれやこれやと学習するのはそのくらいにして、まずはAIによる課題解決をスタンダードにするために早期にプロジェクトをまわしてみましょう。「百聞は一見に如かず」です。
当社へのご相談はお気軽にご連絡ください。