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限られた予算で成果を出すAI導入の秘訣とは? AIプロジェクトを成功に導くための事例紹介
今回はこれからAIをビジネスに活用したい方、AIの導入プロジェクト担当になった方向けに、
- 「どうすれば上手く進むのか?」
- 「失敗した会社は何故失敗したのか?」
こちらの気になるテーマを内容に、AI導入プロジェクト成功に導けるように事例も踏まえてお伝えさせていただきます。
Avintonジャパンについて
当社が語るAI導入における成功メソッドになぜ価値があるのか?
それは私たちが10年以上ビッグデータビジネスを特化領域として従事してきた経験があり、クライアントの課題解決に向けて、テストデータ画像や音声データの検証を経て、ソリューションを実現してきた実績があるからです。
過去の取引企業は、エリクソン、ノキア、カカクコム、TOYOTAグループ、KIRINグループ等世界を、日本を代表する企業様も含まれます。
実績の一部として、例えば半導体製造業者様では、ウェーハの欠陥検知をAIを用いることで、欠品の判断時間が短縮されただけではなく、人為的なミスの防止を実現しました。
また、自動車メーカー様をご支援した案件では元々欠陥品データが少なく、学習データの収集が困難でした。しかし、教師なし学習での欠陥検知モデルの開発をすることで、外観検査自動化に寄与することができました。
より当社のソリューションについて知りたい方はこちらをご確認ください。
様々な業界、幅広い業種のお客様の課題をコンサルティングで解決してきた当社だからこそ、AIやビッグデータソリューション導入における障壁となる事例を多く目の当たりにしています。AIは皆さんの想像よりももっと身近で、今後手放すことができなくなる必須のビジネスソリューションになりつつあります。
そんなAIについて、怖がらず、正しい理解で、人の生活を更に良くする技術として世に広まっていってほしい欲しいという願いから、キーポイントをお伝えしたいと思います。
AIについてのおさらい
ではまず、既にご存知の内容もあろうかと存じますが基本的な部分のご説明から進めて参ります。
このような疑問をお持ちの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
「AI、AI!」と新聞やニュースを賑わせているトレンド技術ですが、本当のところはどこまで出来るものなのか、まだまだ謎のベールに包まれているAIの実力を少しだけご紹介します。
出来ること① 画像解析
今では最も有名なAI活用一つである画像解析技術です。
身近なところでは何に使われているのでしょうか?それは、皆様がお使いのプリンターに内蔵されているOCR(Optical character recognition/光学文字認識)や防犯カメラにもAIが使われています。画像解析の特徴としては、物体認識やカウント、トラッキングのほかに工場などでの異品検知も利用されています。いまや、あの『ウォーリーを探せ*』もAIにかかれば一瞬かも知れません。
*人が入り乱れた絵の中からウォーリーという赤い縞模様の服を着た主人公を探すイギリスの絵本。
出来ること② 数字予測・分析
AIといえばこの分野を想像される方も多いのではないでしょうか?今までのエクセルを使った分析よりも多数の情報をインプットさせることで、簡単に予測が出てくるの点が強みです。株価の予測や天気予報、小売店の需要予測など多岐にわたりAIが活躍しています。ここで重要なのは「AIが作った予測を正しい目で評価をする必要がある」ということです。
出来ること③ 音声認識・自然言語解析
チャットボットやスマートスピーカーなど日常生活に溶け込んでいるAIの一つではないでしょうか。テレビに表示されるリアルタイム字幕や翻訳などにも活用されていますし、翻訳系のWEBサービスも今はAIを使われているケースが非常に増えています。商用ではコールセンターに導入されているような「会話内容の文字起こし、頻出ワードの抽出、クレーム対応」会話内容からカスタマーサービスにつなげようというAIも登場しています。
出来ること④ 生成・制御
風向きの自動設定や快適な温度調整が出来るエアコン、自動で走行する掃除機など、身近な家電にもAIの波が到来しています。AIが広告を作成したり、AIが描いた絵がオークションにかかるなど今まで考えられなかった世界が広がっています。近い将来では車の自動運転やドローンを利用した自動配達なども実現されるでしょう。生活がもっと便利に豊かになる日も近いかも知れません。
実はビジネス・生活の場にAIの活用がこんなに進んでいるのです。「AI=未来のもの」ではなく「AI=身近なもの」に時代も変わってきました。
これまでは「AIってなんだかよくわからないけどトレンド」という方がほとんどでしたが、最近では、「AIで出来ること」が明確化されつつあります。一方で、「AIをビジネスの場に直ぐに導入できるのか?」という疑問も出てきます。
ここから先は、よりビジネス目線でAI活用について深堀していきます。
先ずビジネスへの導入の準備としては、事前にある程度の知識を持っておくとプロジェクトが進めやすいです。前述の出来ること4つとあと少しの知識を持っていれば先ずは問題ないでしょう。さらにAIに対する理解を深めていただくために、よくある質問2点をご紹介します。
- AIの判断根拠は出せるのか?
- AIの精度は100%まで出せるのか?
どちらもAIに対して皆様が抱く疑問だと思います。
結論から申し上げると、精度100%は難しいです。理由としては99.9999…%までしか推論が出来ないことと、評価する側の立場(人)が100%の回答を持っていないケースがあるからです。
例えば、こちらの犬の画像の例ですと、大量の「犬」とタグ付けされた画像を読み込ませて、そして新しい画像を読み込ませたときに「どの品種か」を推論するAIだとします。
右側の写真を読み込ませた場合に78%の精度で「ゴールデンレトリバー」であると結果を出しました。ではこの精度が高いのか?果たして低いのか?という議論も出てきますが、今回は割愛して「人間がこの写真だけで論理的に100%ゴールデンレトリバーだと判断できるか」と考えると恐らく難しいと思います。故に、どんなに精度が高くても99.9999…%ということになります。
そして、学習過程や推論の理由は確認不可(ブラックボックス化)となっているのが現状です。この例ですと「何故ゴールデンレトリバーだと判断したのか?」という理由は分からないままです。
まとめると、100%の精度が難しい以上、100%を期待して導入を進めると落とし穴にハマりやすいです。付け加えると、人の生死が関わるような法的責任が伴うようなケースでもまだまだ導入は難しいです。
では「どのような場面にAIを導入できるのか?」という疑問も出てくるかと思います。
そこをじっくり検討したうえで、導入要否をご判断頂くことが失敗しないための最初の秘訣ではないでしょうか。
AI導入が進んでいる企業は以下の要点を抑えているケースが多いです。
- 自社の課題を明確になっている
- 運用ルールが決まっており、AIの精度を理解したうえで導入をしている
- AIの特性を理解したうえで何の課題解決に利用をするかが決まっている
ひとくちにAIと言っても様々な種類のAIが存在しており、それぞれ出来ることが異なっています。例えば囲碁・将棋のAIが株価予測に使えるかというとそうではないのです。
導入する場合には「どのAIを・何に・どのように」使うかがポイントになってきます。
AI導入プロジェクトを成功させるためにある程度の知識を持っていた方がよいと前述しましたが、少なくともここまでの認識を持っておけばスタートラインとしては十分だと思います。AIに対する認識も結構変わったのではないでしょうか。勿論AIに詳しい方や専門の学部を出られた方は既にご存知の内容ばかりだと思いますが、では次のトピックにうつる前に皆様にご質問です。
プロジェクトに関わる皆様のAIに対する認識は同じ認識でしょうか?
社内の認識を合わせよう
AIに対する認識がプロジェクトメンバー、社内、ベンダーとズレていると中々上手く進みません。稟議書を上げる際の決済者とメンバー間の認識がズレていると、再稟議になったり、テストのやり直しなどが発生します。協力部門に依頼をする場合も認識が合っていなければ見当違いの結果に終わるケースがあります。そしてベンダーとの認識がズレていると求めている成果物と違うものが完成したり、何度もデータのやり取りを行うなど負担だけが増えていきます。
では、どのようなときに認識がズレやすいのか?ベンダー側から見た場合には特に次の3つがズレていると導入が失敗しやすいという例をご紹介します。
Ⅰ.目的と手段
トップダウンで「AIを導入せよ」という指令が下りるケースも少なくないと思います。しかし導入することが目的になってはいないでしょうか?AIやオープンイノベーションは企業の課題を解決するための手段であって目的になりえることは無いのです。経営層がAIに対するこの認識がズレていると期待外れな成果に終わることや、そもそも導入まで上手く進まないケースが多く、現場としては結果として無駄な作業が発生し負担が増えてしまいます。
プロジェクトを成功させるためには先ず「AIは課題解決のための手段である」という認識を統一していただき、解決すべき課題を明確にすることが重要だと考えています。
- 何の目的のために
- どの工程に
- どの部門に
- どのような効果を期待するのか
- どこにAIやIoTを導入するのか
- どういう企業と組むべきのか
このように整理がついているとプロジェクトの進行も安心です。
Ⅱ.経営側と社員側
経営側も別の分野で功績を残されてそのポジションにいらっしゃるので、経営のスペシャリストといえどもAIに関しては知識も少ないはずです。しかし稟議書をあげるときにAIとはどういったものなのかを理解されていると話が早く進みます。認識がズレていると再稟議が繰り返されてしまうリスクがありえます。
そのためにはAIに期待させ過ぎないというのも稟議書作成のコツでもあります。近未来の凄いものではなく、人の「とある作業をAIに置き換える」これならオートメーション化と変わらないので決済者側も稟議書を飲みこみやすいのではないでしょうか。
目に「見える効果」と「見えない効果」はすごく重要です。
AIを導入するうえで例えば削減できる作業時間や人件費見合い、人材不足解消や技術継承などの課題解決が稟議書に「見える化」されていないと意味がありません。そのためには現場での知見や所謂現場感覚というのも必要になってきます。どの部分にどれだけコストがかかっているのかを理解されている方がプロジェクトにいらっしゃると心強いはずです。
社内の認識を合わせるにはAIによる成果は見えない効果ではなく、見える効果として提示することが一番の近道です。
Ⅲ.AIに対する期待度
AIに対して過度な期待をしている方がいらっしゃると「この程度しか出来ないの?」「じゃあ無理に現状を変える必要は無いよね」と判断されるケースが多いです。勿論「今」は問題ないとおもいますが、その環境を保てなくなったとき例えば人材不足や技術継承の問題など将来必ず抱えるのではないでしょうか。
また、「AIは何でもできる万能なもの」「置いておけば勝手に成長している」という期待をされている方もいらっしゃると思いますが、冒頭の「AIのおさらい」で述べました通り出来ることは限られています。学習させたこと以外のことは出来ないのでこの認識がズレているといつまでも期待外れが続くループに巻き込まれてしまいます。
ここまではAI導入プロジェクトが失敗に陥りやすい例をご紹介してきました。
ですがここまで全てチーム内で読み込むのは難しいと思います。そこで以下のチェックシートを作成しました。こちらのチェックが4つ以上ついていれば失敗のリスクは少ないと考えてよろしいかと思います。
リテラシーについては今回ご説明している内容がご理解いただいていれば問題ないかと思います。その他の重要なポイントとしては、やはり関連部署が協力的であることが重要です。
たとえば製造現場に導入しようとした場合に、現場からの反発や非協力的な環境の場合には導入が進まないケースが多く、見送りになった場合には次回検討時にまた同じ課題にぶつかる可能性もあります。そして一番重要なポイントとしては課題解決のためにどのようなAIを開発するべきか、何をするべきなのか理解していることです。このポイントが抑えられていないとPoC(Proof of Concept/概念実証)を何度も繰り返す負のスパイラルに陥ってしまうケースもありえます。
是非自社のプロジェクトでポイントをいくつ抑えれているかご確認してみてください。
AI導入が失敗しやすい3つの落とし穴
ここまではAIのおさらいと認識を合わせることの重要性をご説明してまいりました。では実際にAIプロジェクトが進んでいく中で「失敗」するケースはどのようなときなのか、事例を基にお話ししていきます。
①AIに対する認識がズレている
まずはAIに対する認識がズレているとき、これは前述しておりますが客観的に見てもズレがあるままですと成功するイメージが湧かないのではないでしょうか?プロジェクトの進行部分というよりも全体として失敗に陥りやすいケースです。では、具体的なところではどのようなときに上手くいかないことが多いのか、2つ紹介致します。
②データが完全ではないままプロジェクトが進んでいる
プロジェクトが進むにつれてAIの精度などもPoCではっきりしてきます。そして期待する精度にならないまま断念するケースがあります。認識にズレもなく着実に進めたプロジェクトが何故失敗になってしまったのでしょうか?
それはデータの量または質に問題があったからだと考えられます。
想像しやすいところではデータを大量に読み込ませるのがAIという印象をお持ちの方が多いかと思います。ではデータの質とは何でしょうか?
画像解析の例で4つご紹介します。
- 解像度が適切かどうか
→例えば細かい傷を検知したいが利用されているカメラの画質が粗く検知出来ないなど
- 明るさが適切かどうか
→露光具合や陰になっていないか、朝と夜の違いはあるのかなど
- ラベル付けが正確にできているか
→冒頭に出てきた犬の例ですと、本来は犬なのに猫とラベル付けがされている場合など
- 対象物以外の余計なものが写っていないか
→製造工程で例えると不純物が無いかに近く、データとしては質が下がってしまいます
AIを求める精度まで上げるにはデータの量だけでなく質も重要です。
失敗しないためにはこの質も保たれているかご確認されることをお勧め致します。
③PoCがゴールになっている
AIを導入するうえで必ず通るPoCですがここにも落とし穴があります。
勿論PoCは重要ですし否定するわけではありません。しかしながらこのPoCがゴールになっている企業も多いのではないでしょうか。「AIが自社に導入出来るか」がゴールではなくその先の「AIを導入して課題解決を行う」ための通過点であると弊社は考えています。
このPoCをゴールにしているかどうかで企業としてのスピード感が全く変わってきます。
なぜならPoCが目的と合わなかったことで失敗することやデータを入れなおして再度やり直すことも十分に考えられますので、ここで「AIは失敗」の烙印を押されプロジェクトが失敗となるケースが多いのです。そうすると「また来年ほかのことにAIを検討しよう」と目的がズレることも考えれます。
ではなぜPoCがゴールになるケースが多いのか、それはAI導入後のロードマップまで作られていないからです。ベンダーと取引を開始する前にある程度の構想を描いたうえで実現可能性と導入後の運用を模索していくことが失敗しないための一つの方法です。
ここまでいくつかのAIプロジェクトが失敗しやすいケースをご紹介したので一度まとめます。
- 社内の認識がズレたまま進んでいる
- データが不完全なまま進んでいる
- 全体のロードマップが描けていないまま進んでいる
もし、進行中のプロジェクトをお持ちの方がいらっしゃいましたら一度ご自身のプロジェクトを振り返ってみてはいかがでしょうか。上記のような危険信号が出ていなければそのまま進めばゴールが見えるかと思いますが、当てはまるケースがあるのであれば無理に進まずに一度足を止めて問題点を修正したほうが結果として最短でゴールできるかも知れません。
AI導入を成功させた会社が行ったこと
前述では失敗事例から失敗に陥りやすいケースをご紹介しました。
では成功している企業はどのようなことを行っているのでしょうか。勿論失敗ケースに入らなければプロジェクトは上手くいくのですがあえて「成功」と書かせていただいたのは「失敗しないためのポイントを抑えていた」わけではなく「成功に導くために行ったこと」が明確だからです。
こちらではその事例を3点ご紹介します。
①「AIで何ができるか」を見極められる知識と能力をもつ人材をもつ
「AIで〇〇したい」等の要求に対して「不良品検知ならば画像処理が利用できるはず。画像処理のアルゴリズムで、不良品検知に利用できるものならば使えるものは3つある」といったことがすぐに思い浮かぶスキルが今、AI人材に求められている。
AIスペシャリストや最新技術の有識者である必要はなく、これまでITシステムの要件定義や業務分析を経験してきたメンバーでAIに関連するアルゴリズムの知識などを習得すれば十分といえる。
日夜新しい技術は開発されているので、社内のAI人材は要件定義やプロジェクト推進を担当し、開発や最新技術の研究はパートナーに任せるのも成果をだす会社によくみられる体制です。
②CoE(Center of Excellence)の設置
PoCなど略称が多くて申し訳ございません。日本でもCEO(最高経営責任者)という役職が増えてまいりましたが、ではCoEとは何者なのでしょうか。CoE=Center of Excellence の略でして肩書ではなく一つのチームを指します。通常の会社の組織図としては下記のグレーのラインになるかと思います。AIプロジェクトを進めるのは新規事業部であったり経営企画部であったりのご担当者様であり関係部門との調整もされるかと思います。そうなると横断的なプロジェクトの把握や協力依頼が場合によっては難しいことも考えられます。
ではCoEはどのような立ち位置なのでしょうか。
下記の図の赤色のラインがCoEの立ち位置です。ご覧の通り事業部からは独立した存在としてこのチームが設立されています。経営直下の独立した組織であるCoEがAIプロジェクトを全て監修することで権限も集約されています。新規事業部がCoEではないか?と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが全くの別物とお考え下さい。何故なら新規事業部が考える手段はAIだけではないからです。
全体を監修するCoEには以下のようなスキルが求められています。
- AIに関する知識
- プロジェクト管理能力
- 社外パートナーを見極める力
- ツール/AIを見極める力
新入社員出来るわけでもありませんし中途採用でもこの経験者は少ないと考えられます。なので人材育成=内製化が必須となりますが、会社としてAIを今後数年以内に拡大させていくという企業であればCoEの設置をご検討頂くことが成功の鍵になるかもしれません。
③AIで何ができるか、できないかを関係者が概要を理解している
AIは新入社員?
AIというと「すごいもの」「人を減らせる」「すぐに効果がでる」といった印象をお持ちの方も多いかと思います。私も初めてAIの会社に転職した時は凄いものを作ってる会社だ!と思って入社したものです。それぐらい高い期待をいただけるのは光栄なのですが導入するとなると現場との軋轢や効果検証まで時間がかかったりとある種の「期待外れ」に終わるケースも少なくありません。
私が過去に担当したお客様で見出しと同じ施策でAIの導入を成功させた事例がありました。
それがAI=新入社員として迎えいれるというものです。何か具体的なことを行ったわけではないのですが社内への通し方、企画の上げ方次第で受け入られ方が全く異なったのです。
ご自身の立場で考えていただくと分かりやすいのですが新入社員に仕事を教えたり自身の業務を棚卸したり、教育を行っていくことに対してマイナスイメージを持つ方は少ないのではないでしょうか。また、ミスはあって当たり前であり最初から仕事を完璧に出来るわけではないとお考えではないでしょうか。
実はAIも新入社員と全く同じなのです。教育は必要ですし、教えたこと以外のことは出来ませんし最初からパフォーマンスが高いわけではありません。AIとは個人の代替ではなく会社として導入し育てるものという認識でプロジェクトをスタートさせることにより期待度のコントロールと導入の入り口部分での協力体制の構築を成功させた例です。
成功事例をまとめます。
- 横断的な経営直下のチームを構築
- 社内でAIに対する期待度コントロールができている
経営直下チームの作成は会社として動かなければいけないことが多いので経営層の方にご検討頂きたい内容ではありますが、AIの期待度コントロールは企画立案の段階で出来ることなのでご参考になりましたら幸いです。
企業の中でのAIの立ち位置って今後どうなるのか
結論から申し上げると企業へのAI導入は加速し、乗り遅れる企業も出てくると思います。人の代わりに自発的に動いて勝手に解決するような映画の世界のAIはまだまだ無く、一部の業務の代替がこの数年で増えていくと思われます。特に工場や作業現場など技術継承や品質保証、安全対策など課題を持っている製造系への導入が進むと考えれます。
進む理由はいくつかありますが進まない理由は「良さがわからない」「実感がわかない」ということが多いかと思います。
では皆さんに伺いますが今スマホを手放せますか?
恐らく大半の方がNOだと思います。これだけ便利なもので生活に根付いているものをそうそう手放せないですよね。ではそのスマホは10年前でも手放せなかったでしょうか。2台持ちであったりガラケーであったりまだまだスマホの普及率が1桁台でした。これだけ便利なものを当時使おうと思わなかったなんて今では考えられないのではないでしょうか。
それと同じくAIも10年後いや5年後には手放せない世界になっているのではないでしょうか。今、パワーポイント、エクセル、ワードを使えないビジネスマンは中々いないですよね。むしろ使えないようではほぼ仕事にならないと言っても過言では無いと思います。5年後、10年後にはAIの知識を持った社員が増えAIを使うことがスタンダードになっていくかも知れません。
そして会社としてAI事例を増やしていくことが会社としての財産になります。
AIを導入すれば次の導入が楽になり、そして経営判断の時に事例が多ければ判断材料にもなります。今スマホに新しいアプリが入っても直感的に操作が理解できるように、AIに慣れておくことで新しい何かが出てきたときに柔軟に対応しやすい土台になっているのではないでしょうか。