法政大学キャリアデザイン学部にて法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアンキャリア協会代表理事 田中 研之輔 とAvintonジャパン代表 中瀬幸子がデータサイエンス×キャリア教育について講義を行いました。
本題に入る前に学生たちからいただいた感想の一部を紹介します。
- 自分自身、AIの事業に触れることがなかったので視野を拡げることができた
- 文系学部にいるわたしには関係ないと思っていた分野でしたが、中瀬さんのお話を聞き、自分の興味のある所から徐々に学んでいけばいいと分かり、AIの分野に少し触れてみようと思いました。
- AI業界について、全く触れてこなかった業界だったのでとても関心を持って聞いていました。中瀬さんがおっしゃっていた、自分の弱い分野に行け的なもので、AI業界参加してみたいなと感じました!自分は将来起業するため、インターンしてたり、興味分野を模索しているのですが、なかなか見つからなくて最近焦っていました。今日のお話を聞いて、変われるきっかけになりそうです。ありがとうございました。
- AIやプログラミングは、文系である自分にはあまり関係のないことだと決めつけていたのですが、勉強すれば私でも出来るかもしれないと思うことが出来ました。また、これからの日本社会で数少ない成長が見込める分野なのだと気づくことが出来て、大変勉強になりました。
このようにデータサイエンスがどのようにキャリア形成に関わってくるのか、データやテクノロジーを学ぶ意義についての話をした中で、大学生の皆様には色々と感じ取っていただけたのではないでしょうか。
今回は特別に文系大学生とIT企業代表のディスカッションを中心に講義の様子をレポートしたします。
↓↓※講義の詳細や登壇者情報はこちらから↓↓
https://avinton.com/blog/2022/06/avinton-academy-at-hosei-university/
前半20分:中瀬のプレゼン
IT企業の創業社長として、中瀬からこれまでの自身の生き方やIT業界の現状について、以下の内容をプレゼンいたしました。
- 文系女子だった中瀬がIT企業の立ち上げに至るまでのヒストリー
- Avintonのサービス紹介。AIがいかに社会に溶け込んでいて、現代の便利さに繋がっているかの具体例を説明
- エンジニアの育成と自社教育プログラムについて
- IT系プロジェクトの紹介。文系出身者や非技術者のプロジェクトについても紹介
これらの話を通じて、文系学部でITとは少し距離がある学生たちに、ITは生活に密着している身近なものであり、幅広い分野と関わり方を持つものであると理解していただきました。
後半40分:田中先生×中瀬×文系学生によるディスカッション
中瀬のプレゼンのあとは、中瀬と田中先生、学生による本気のディスカッションが行われました。学生は文系出身者ということもあり、AIやITというものに興味が薄かったり、難しく感じてしまっていたりと反応は様々でしたが、話をしていく中でITについての考えが深まっていった様子でした。ここからは、学生たちを交えたディスカッションの様子をそのまま公開いたします。
生徒A:2010年設立ということですが、そのころだとDXという言葉はまだ全然流行っていなかったと思うのですが、そんなに早い時点でDXに目を向けていたのは当時の最先端だったと思う。どうやってDXを見つけて、企業にしようと思ったのですが?
中瀬:当時はDXという言葉ではなくビックデータという言葉で業界の中ではちょっと注目され始めていました。ただ、世界ではすでに使われていた用語だった。ソフトバンクの孫さんがよく「タイムマシン経営」と言っているが、アメリカや中国で流行っているものが3~5年くらい遅れて日本に入ってくる。最近はもっと遅くなっているみたいですけど。
中瀬:私たちが事業を立ち上げたときに一緒に活動していた外国人のエンジニアたちの界隈ではもう当たり前のものだったんですよ。
田中先生:確実に来るってわかっていたんだね。よくVUCAって言われてて、みんなVUCAで思考停止ていて「この先何が起こるかわからない、予測できない未来が訪れる」とかいうけど、テクノロジーの視点から見ると全然そんなことなくて、AIで何が出来るとかデータサイエンスでどこまで分析できるとか、エンジニアの皆様は思い描いている未来ってありますよね?
中瀬:そうですね。
田中先生:なんでみんなVUCAって言って考えるのを辞めちゃうのか?って思いますね。
(中略)
中瀬:そもそもAIとかIT業界に興味ある人ってどのくらいいるんですか?
(Zoomの挙手機能でリアクション)
中瀬:少数派ですね。
田中先生:そうなんだね。(生徒B)くんとかどう?インターンとか結構行ってるし、興味あるんじゃない?
生徒B:興味あるというか、そういうデータ回りのことなどはやってきた方なんですけど、To C向けのプロダクトとかに興味がある感じです。だから、今日の内容は意外と知らないことが多いなって感じています。
田中先生:例えば、先ほどの紹介にもあったように空港とか大型ショッピングセンターとかすごく便利になってきたよね。一人のドライバーとして「なんで勝手にゲートが空くんだろう?」とか思うんだけど、車のナンバーを解析されて気づいたら支払いまで済んでいるんだよね。
田中先生:この間、授業で話題になっていたんだけど、法政大学って関東で一番売り上げるセブンイレブンがあるんですよ。常に6列の渋滞で、1列に10人くらい並んでるんですよ。おそらく、セブンの人も「どうしたらいいんだろう?」という状況だと思うんですよ。原理は簡単で、一か所しかなくて、休み時間もそこしかなくて、人がめちゃくちゃいて外には買いに行けないから人が集中してしまう。あるいは入試の時の女子トイレ問題も一緒。そういうのってソリューションはあり得るんですかね?
中瀬:あると思いますよ。まずは「何時にどれくらい混んでいるのか」ということと、「どこから来るのか」のデータを集めるところから始めましょう。法政大の場合ならキャンパスが3つあるので、混雑する時間ごとにどのキャンパスから人が移動してくるのか、それが1つのキャンパスからだけなのか3つのキャンパス全てから集まってくるのかも調べたいですね。そうやって「人がどこから来るのか」と「そこからどのように移動するのか」を把握して、「時間ごとに売り上げている商品」の情報を組合せば適切なソリューションを打ち出すことが出来ます。例えば、「午前のこの時間」は「校舎Aからの人ばかり」で「ほとんどの人が飲み物を買っている」というデータが有れば、「動線の途中に飲み物の自動販売機を置く」ことで混雑が回避出来る、等ですね。
田中先生:この前学生と話した定性的なソリューションの中で、お昼に売れているものはわかるから「その時間だけ移動式でお弁当やおにぎりを販売する」と提案されていたんだけど、それをデータで裏付けて、例えばセブンさんに持ち込むことは出来ますよね。
中瀬:そうですね。人が留まっている時間が無くなればそれだけ売り上げも増えますし、店舗側にもメリットがあるといった説明も出来ます。
(中略)
中瀬:そうそう、私ももともとITとかに興味なかったんですよ。興味なくても成長している市場に行くというのは勝ちパターンだと思うんですよ。
田中先生:そこしかないよね。
中瀬:そこしかないですね。興味なくても行くというのは大切。
生徒C:経営学部からAIの道に進まれたと仰っていましたが、私も経営の勉強をしていて、プログラミングとか聞くだけですごく苦手意識を持ってしまうのですが、そういうところで大変だったところはありますか?
中瀬:興味を持てる方向から興味を持っていけば良いと思っています。私の場合は大学でプログラミングをやったことがあるが、大嫌いだった。ログを見るだけで眠くなっちゃう。ただ、お客様と話したときにすごく期待されていることを感じたり、納品したソリューションがいかに貢献できているか等、社会的インパクトに目を向けることでソリューションの重要性や、エンジニアと顧客に橋渡しになることの大切さを感じるようになって、この仕事に責任ややりがいを感じるようになった。キャリアや人のことに興味があるなら、技術がいかに人に良い影響を与えているかを勉強して身近になっていけば良いと思う。IT業界にもエンジニア以外にもプリセールスだったりマネージャーだったり多くの働き方が合うので、広くとらえられるようになってほしいです。
(中略)
生徒D:30か国以上の多国籍の人材がいると会社のホームページで見たのですが、全部英語で会話しているんですか?
中瀬:もちろん。
生徒D:全員英語が出来るエンジニアしか採用しないんですか?
中瀬:彼らは英語は出来て当たり前で、日本語は出来ないんです。だから、こちらが英語が出来ないと恥ずかしいという感じかな。伝わる?
中瀬:例えば、Pythonエンジニア募集という求人を、日本語を外して英語で出すと1日で100人以上応募が来るんですよ。日本で求人を出しても全然集まらない。日本語という守られている壁を取り払うと世界では技術者がこれだけ余っているんですよ。
中瀬:海外の技術者を日本に持ってくる方が、自ら学んで技術レベルも高いしビジネスセンスもあるしプロジェクト遂行能力も高いと気が付いているお客様もいて、そういうところは日本語が出来なくてもいいよと言って人を集めている。古い日本の会社が日本人じゃないと嫌だ、日本語じゃないとだめだと言って、そういう人たちがDXを遅くしているんです。
生徒D:わかりました。ありがとうございます。
75分間の講義でしたが、時間はあっという間に過ぎていきました。
今回の講義の中で何度も出てきた話しなのですが、これからの時代はAIやデータサイエンスが必須になってきます。本講義は文系クラスが対象だったので、参加していた学生の多くがITは難しそうだと感じていて、AIやデータサイエンスという分野にも興味が薄い現状を通関いたしました。同時に、冒頭でも紹介いたしましたように講義後のアンケートで「AI、IT業界に触れてみようと思った」といった回答をいただき、少しでもテクノロジーに興味を持っていただけたなら嬉しく存じます。
Avintonジャパンでは、様々なバッググラウンドを持つ新卒メンバーが活躍しており、「AIに淘汰されない次世代エンジニア」を目指す高い志をもった学生を通年採用で歓迎しております。
23新卒はもちろん、22新卒10月入社、24新卒早期選考も選考中です。
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