「教育のアップデートは、共創から始まる」
いま、学校教育は大きな転換期を迎えています。
先生一人で抱え込む時代から、産業界と教育現場が手を取り合う“共創”の時代へ。
そのような中でAvintonジャパンは、「実社会で活躍する現役エンジニアと学生が共に考える授業」を各地で展開しています。今回は、富山県にある富山情報ビジネス専門学校とのパートナーシップとその活動についてご紹介します。
地方にこそ、最先端を。
〜オンラインで実現する“本物の学び”〜
オンライン学習環境の進化により、地方でも都市部と遜色のない最先端教育が可能になってきました。
本取り組みも、そういった技術の進歩と時代の変化により実現しています。
この授業は4月から7月までの前期と、9月から1月までの後期の2期に分かれていますが、通年で弊社エンジニアがオンラインで授業を担当しています。
本記事では前期の取り組みと学生の反応をレポートします。
前期の授業は物体検知や骨格推定などのAIを組み込んだアプリ開発を目的とした講義。ただ、まずは基本となるPythonからスタートしました。こちらから一方的にレクチャーするだけではなく演習主体の授業を展開することで学生のスキル向上をサポート。
さらに講義や演習を通して、単に目の前の技術に詳しくなるだけではなくエンジニアとして必要な考え方を伝えています。
背景
学校法人 浦山学園様は、富山県射水市に拠点を置く教育・福祉分野における学校法人です。地域課題の解決を目指した教育・研究拠点として、特色ある活動を展開しています。
私たちが授業を行っている富山情報ビジネス専門学校は、浦山学園が運営している教育機関の一つです。
▼学校法人 浦山学園
https://www.urayama.ac.jp/
▼富山情報ビジネス専門学校
https://www.bit.urayama.ac.jp/
浦山学園理事長である浦山哲郎様の「富山の教育を変えていきたい」という使命感と中瀬の「社会課題を解決していきたい」という想いが共鳴。
数年間にわたり信頼関係を構築し続けた結果、ありがたいことに今年度の「AI演習」の授業を当社にご依頼いただきました。
浦山学園様と連携の様子は、弊社代表中瀬のXよりご確認いただけます。
授業概要
対象学科:情報システム学科(2年生)
実施形式:オンライン(全30回のうち3回対面実施)
講師:弊社エンジニア1名
授業スケジュール:
- 4-5月:Avinton Academyのコンテンツを活用してPythonの基礎力を高める
- 6月:Streamlitを利用した簡単なAIアプリで遊びつつ、様々なAIについて学ぶ
- 7月:学生自ら、AIアプリを企画・作成
この授業では、AIやプログラミングを単なるツールとして教えるのではなく、共に考える“パートナー”として捉える姿勢で設計されています。
講師を務めるのは、Avintonジャパンの現役エンジニア。学生の多くが初めて触れるAI技術に対して、「なぜそれが必要か」「社会とどうつながるか」から丁寧に伝えていきます。
具体的には、まず、弊社が作成している学習コンテンツ「Avinton Academy」を使用してPythonについて学習。その後、Streamlitで簡易的AIアプリケーションを作成し、実際に手を動かしながらAIに対する理解を深めてもらいました。
最後には、少人数のグループをつくり、グループごとにAIを用いたアプリケーションの開発を行ってもらいました。
授業開始当初はプログラミングに苦戦している学生もいましたが、回を重ねるごとに徐々に力を伸ばし、グループワークでは全員が精力的に開発に取り組んでいました。また、学生の柔軟な発想から生まれるアプリケーションはコンセプトがユニークなものが多く、講師を務めていた当社エンジニアも非常に多くの刺激を受けました。
▼Avinton Academyについてはこちら
https://avinton.com/academy/
さらなる挑戦 | 地域を跨いだ連携を創出
後期(9月-1月)には、自社エンジニアによる授業展開にとどまらず、Avintonジャパン経由で紹介した外部講師によるPBL (Project Based Learning)授業も実施予定です。
今回、富山情報ビジネス専門学校様にご紹介させていただいたのは、北海道上川町の「大雪かみかわヌクモ」の館長を務めておられます松井さんです。
▼松井さんについて詳しくはこちら
https://x.com/taketaiyaketa
https://note.com/take_ccho/n/n9b1c1300ee5b
弊社代表の中瀬が松井さんと交流を深めていく過程で、松井さんの取り組みやマインドが専門学校の生徒にとって大きな刺激となると確信。
授業の外部講師のお話をご紹介したところ、快く引き受けてくださいました。
自社のエンジニア1人で実施する授業には質・量ともに限界があります。
私たちは、より多くの教育機関に対して、より満足度の高い授業を届けるために、弊社を起点にした、新たな関係性の創出にも力を入れています。
日本の教員不足を少しでも解消するために、Avintonジャパン株式会社は「外部講師に挑戦してみたい人」と「教育現場」をつなぐハブの役割を今後も担っていきます。
授業を担当したエンジニアの声
私はエンジニアとしてAvintonジャパンに新卒で入社しましたが、もともと教育にも興味がありました。日ごろのエンジニアとしての学びを学生に還元することができる今回の取り組みは私にとってとてもありがたい機会です。私自身も今回の授業を通して、PythonやLLMに対する理解を深めることができました。
AIについては賛否両論ありますが、これからますますAIが普及していくことは間違いないと感じています。また、私たちが子どもの頃とは異なり、今の学生は「AIがあるのが当たり前」の環境で育っています。ただ、その一方で「AIを使いこなすのが当たり前」の環境にはまだ切り替わっていないとも感じています。このような社会の流れの中で、学生のうちからITやAIについて一歩踏み込んだ内容を学べる機会は非常に価値があると感じています。私は、そのような場の提供に携われていることにやりがいを感じています。実際に授業を行った富山の学生に限らず、これから社会に出ていく学生には我々にはない発想で上手にAIを使いこなしつつ社会に貢献してくれる人材になること期待しています。
先生の声
学校法人 浦山学園 富山情報ビジネス専門学校
中井先生
縁あって今回の授業のサポートを務めさせていただきましたが、まさに「私も学生として参加したい!」と思える授業の毎日でした。まずはデータ処理の基本から教わり、そのあと物体検知や画風変換、自然言語処理など多くのAI活用プログラミングについて学ぶことができ、学生も私も大満足です。最終課題では学習内容を基にしたアプリ制作に取り組みましたが、これがまたユニークで面白い! 学生の創意工夫が存分に楽しめる発表会でした。後期の授業もとても楽しみにさせていただきます。
学生の反応




最後に
実は、富山情報ビジネス専門学校様にとって、オンラインでの外部講師による授業は当社が初の事例。学校の先生には、オンラインでの授業がスムーズに行えるように非常に多くのサポートをしていただきました。最初は授業の進行がうまくいかないこともありましたが、先生や学生からの授業へのフィードバックを基に改善改良を繰り返し、少しずつ授業の質を上げることができています。
エンジニアが講師として授業を行うことの価値は、学生がまだ知らない「現場」を伝えることにあると考えています。今回の授業でも、エンジニアが実際に働いていて感じてきたAIのすごさや価値を伝えることに注力しました
Avintonジャパンは日本国内で20校以上と連携(https://avinton.com/blog/tag/産学連携)し、多くの未来を担う人材を育成しています。
また、「Avinton Academy on Campus」を通じて、日本全国の教育機関との連携を深め、テクノロジー教育の新たな地平を切り拓いていきます。
今回の取り組みはAIに特化していますが、AIに限らずITについて学ぶ機会を創出することで、学生のキャリアの可能性が拓かれていくと信じて我々はAvinton Academy on Campusを推進していきます。
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