日本全体のIT人材不足解決のため、IT人材育成のためにAvintonが行っている産学連携の学生向け教育プログラムAvinton Academy on Campus。
その一環として、2023年よりAvintonジャパンは、横浜市立大学 観光マネジメント研究室 有馬 貴之先生のゼミ(以降、有馬ゼミ)にデータサイエンス教育を提供してまいりました。
この度、1年間ご一緒させていただいた 国際教養学部 有馬貴之准教授と横浜市立大学でのAvinton Academy on Campusを担当した当社のデータサイエンティストによる対談が行われました!
今回はその対談について、内容の一部を公開。
- これからIT企業との産学連携、協業や、データサイエンス・データ分析・AI技術を学生に教えていきたいけれど何からはじめたらいいかわからない
- ご自身の専門分野とAI/データ分析を掛け合わせて新しい教育機会を学生に提供していきたい
- 最先端のAI/データ分析ゼミ講義の内容を知りたい
上記のようなニーズを抱えた教育関係者向け、そしてITやAI技術を活用し教育業界に貢献していきたいとお考えの方に向けた記事となっています。
▼横浜市立大学 観光マネジメント研究室有馬先生とAvintonエンジニア対談動画はこちらから▼
https://youtu.be/NXVweeeXmig
▼横浜市立大学 有馬ゼミ関連情報はこちらから!!
都市社会文化研究科 https://www.yokohama-cu.ac.jp/urban/index.html
観光マネジメント研究室 https://www.takayukiarima.com/
有馬 貴之准教授 https://www.yokohama-cu.ac.jp/urban/staff/arima_takayuki.html
Avintonアカデミー on Campusとは
日本全体のIT人材不足解決のため、IT人材育成のためにAvintonが行っている産学連携の学生向け教育プログラムです。
IT企業CEOで大学講師の中瀬と現役エンジニアが直接大学、専門学校へ直接訪問します。
現場での知見をもとにIT業界研究基礎、実践的なIT技術や応用AI、キャリアデザインなどの専門的な講義を提供します。
有馬准教授および有馬ゼミについて
有馬准教授)横浜私立大学に着任したのは5年前、横浜に来てからもう5年です。それより前は帝京大学で観光経営学科というところで観光を教えていました。
観光の中でも、観光客がどう行動しているか、観光によって地域がどう変わるかといったことをテーマにあつかってきましたので、色んな社会の方々と一緒に協働しながら研究を進めています。
Avinton)そもそも観光に興味を持った理由、きっかけを教えて下さい。
有馬准教授)そもそも旅行が好きだったので、大学生のとき、当時は首都大学東京(現:東京都立大学)のチリ学科にいたのですが、1年間休学してオーストラリアにバックパッカーとして遊びに行って。それがきっかけですね。もう20年ほど前になりますが、そのころのオーストラリアはバックパッカーもいっぱいいて、国際的に見ても観光が凄くしやすい国だったんですね。それで僕も旅行しながら、「旅行のしやすさしにくさって、あるんだな」と。そのときは日本に旅行の外国人は全然いなかったんですよ。「何で日本には魅力があるのに外国人観光客が来てくれないんだろう」とオーストラリアでバックパックを背負いながら思っていて、その時に観光のことをちゃんとに勉強しようと思って、帰国してから地理学を学ぶ中で観光を学んでいった。
Avinton)それでそのまま大学院まで進まれて、教鞭もとられるようになったと?
有馬准教授)その通りです。
(中略)
Avinton)昨年2023年度よりAvintonジャパンとYCU有馬ゼミとの連携がスタートしました。有馬ゼミはGIS(地理情報システム)を中心にデータを用いた観光の研究を行っているということで、Avintonジャパンのデータ分析力の提供をさせていただいています。
有馬准教授)私の専門は地理と伝えましたが、地理をどのような切り口で分析していくかというところで僕はGISを使っていました。オーストラリアから帰国して観光をどのように研究しようかと考えていたときに「GPSのデータを使ってみないか」と先生が勧めてくれて。。それがきっかけで面白そうだなと思ったんです。そのころはそのような研究をしていた先生もいなかったので「これは面白い」と思って、GISで観光を研究しようと。そこでデータ分析やGISというものに興味を持ったのがきっかけで、今もそれが続いています。今は教える立場になったので、観光において重要であろうデータ分析やGISについて教えています。
Avinton)実際にデータサイエンス講座を提供させていただきましたが、観光を学んでいる文系の学生さんたちにも関わらずデータだったりGISだったりに対して全く壁がなかった。
有馬准教授)うちの学部は「国際教養学部」という学部で、文理でいうと文系の学部なんですね。大学にはデータサイエンス学部等データを専門に扱う学部もある中で、私が教えているのはまさに文系、国際的なところに興味はあるけれどデータとか数学とかは嫌い、という学生たちなんですよ。
でも、そういう学生にこそデータについて学んでもらう必要があると思うんです。特に観光はデータ分析を出来る人があまりいないので、そういう人材になってほしいと思って教えていた。ただ、そうなると僕が直接プログラミングやデータ分析を教える時間はとれないなと困っていたところでAvintonさんからお話をいただいたんです。
産学連携AvintonアカデミーについてのQ&A
Avinton)Avintonアカデミーをお選びいただいた理由を教えてください
有馬准教授)さっきの話のつづきですが、学生には、文系だけどデータとか、いわゆるデジタルのところには触れさせておきたいと思っていて。
以前にはUdemyとかのオンライン講座で勉強してもらおうとしたこともあります。しかし、学生も「何で必要なの?」と疑問に思いながらやっていたと思うし、僕も学生の進捗や理解度をチェックする時間もなくてほったらかしにしてしまった。
これはまずいと思って他の方法を考えていた時に、ちょうどお話をいただいたというのがきっかけですね。
講座開催にあたり僕が一番心配だったのは「文系の学生ですけど大丈夫ですか?」って。データとかプログラムって文系の学生にとっては怖いんですよ。どうせダメだろうというか、苦手意識のようなものがあったりするのでとっかかりが凄く難しい。それって教える方にとってもすごく大変なことだと思っています。
そういう教育の難しさの中で、指導をお願いできるかどうかという判断のところで、顔が見える形で教えていっていただけるということで信頼、安心してお任せ出来た。それが選んだ理由です。
Avinton)講義に登壇させていただいたんですけど、そのアンケートの中で「データと観光というテーマだと聞いていたが、何でデータの人が来るのかわからない」と書かれてしまいました。
有馬准教授)観光って特にそう。おもてなしとか、サービス業としての人と人とのふれあいみたいなところ、コミュニケーションなので。観光を本格的に学ぶ層はコミュニケーションが得意な人が多いこともあり、そういうものだとみんなが思っている。その背後にあるデータの部分には意識が向きにくい。だから学生は「観光とデータってどう関係があるの?」と思ってしまうのかもしれないですね。
講義をしていただいたことで、そのあたりを学生にわかってもらえたところは本当に良かったと思っています。
有馬先生の「観光×データ活用」の研究について
有馬准教授)私の研究は地理情報システムを使いながらGPSデータや人流のデータをどう解析していくかというのが専門です。
観光ってみんなが笑顔になれるじゃないですか?すごく良い産業だと思うし、良い社会行動だと思っているんです。どんな方でも観光できる権利があって、それは障害を持った人でも子供たちでも、旅行して学びがあったり面白い経験が出来たりするじゃないですか。その経験をサポートできるのは背景に観光産業があったりするからです。それをもっと良くしていくためにはデータ分析が必要だと考えています。
特にGPSのデータというのはまだまだ研究し甲斐があります。研究者不足ということもあり、中々研究が進んでいない。特にビッグデータ解析、観光データ分析の研究者は足りていないので、出来れば私も含めて、地理とかGISとかデータ分析をしている先生方と一緒により良い観光を作っていければと思っています。
Avinton)以前に有馬先生とお話ししたときに、「地域ごとの絶対的な適性人数」のことを追求していきたいと仰っていて、すごく面白い考えだと感じました。
有馬准教授)僕の最終的に目指す方向性は「誰もが喜ぶ観光」です。それはお客さんがこ「の地域に来てよかった」と思えるという意味でもそうですし、住民の方々も「お金も落ちるし地域のことも知ってもらえて来てくれてよかった」と思える、お互いがWIN-WINになれることが必要だと思っていて。それには人が多すぎても少なすぎてもダメじゃないですか。自然環境一つとっても人が多すぎたら破壊されてしまい、少なすぎたら環境を守るお金がねん出できなくなる。そういう状況があるので、場所場所によって適切な数値だったり配分だったりというのは違うだろうという考えて合って。それを求めるプログラムのような、どの地域でも「こういう風にやったら必ずその数値が出てくる、こういう風にしたら良いのですよ」というシステムを作るというのが、僕の壮大な研究者としての方向性です。そのために寄り道しながら色んな研究をしているという感じですね。
Avinton)オーバーツーリズムが完全になくなるということ?
有馬准教授)オーバーツーリズムがなくなって、まさにサステナブル、持続可能な観光地であり続ける。そのためには住民も観光客もどちらも喜ベル観光地であり続けるというのが最終的な目指すところなのかなと思います。それがみんなが笑顔になるというところに繋がると信じています。
最後に
有馬准教授と当社データサイエンティストによる「観光×データ」についての対談、如何だったでしょうか。
様々なところでデータ利活用、データドリブンといったことを言われるようになって久しいですが、本当の意味でデータドリブンな社会になるためにはまだまだデジタル人材が不足しています。
観光に限らず、様々な分野でデジタル人材を増やしていくことはこれからの日本社会の大きな課題だと考えています。
この課題解決に貢献するため、Avintonでは今後も教育の提供や他業種とのコラボレーションなど、活動の輪を広げてまいります。
CONTACT
我々Avintonは日本のIT・AI技術の活用を促進すべく全国の学校様とも協業しながら、日々エンジニアやプロジェクトマネージャーの育成に取り組んでいます。私たちのこういった産学連携の取り組みにご興味がありましたら下記より是非お問い合わせください。
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また、Avinton Academy with Platform というデータサイエンスに特化した連続講義も行っております。
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