日本の構造的課題:IT人材の不足
現在、日本のIT人材不足は深刻な局面を迎えています。
日本全体でIT人材が不足していますが、人材の偏りも問題に。
実際、IT人材の半数以上が東京圏に集中しています。
そして、この流れはさらに加速します。
4年後の2030年には約45万人が不足すると予測されています。
そのため、地方自治体では
「デジタル化を進めたいが、担い手がいない」
という構造的な課題が顕在化しています。

この状況を変えるため、富山県の学校法人浦山学園が変革を起こそうとしています。
彼らが進めている取り組みが、「専修学校を起点とした実践的なデジタル人材育成」です。
具体的には、浦山学園は文部科学省の令和6年度
「地方やデジタル分野における専修学校理系転換等推進事業」
を受託しています。
本事業の中核として、浦山学園 富山情報ビジネス専門学校にて
「行政のデジタル化に適応した公務員養成プログラム」
の開発を行っています。
そして、Avintonジャパン代表の中瀬は、この事業の推進委員を務めています。

関連リンク
▼文部科学省「地方やデジタル分野における専修学校理系転換等推進事業」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/1418823_00031.htm
▼学校法人 浦山学園
https://www.urayama.ac.jp/
▼推進委員就任時の当社ブログはこちら
https://avinton.com/blog/2024/11/mext-technical-schools-committee-appointment/
試験に受かる人から、現場を変えられる人へ
従来の公務員養成は、筆記試験対策中心の座学が主流でした。
しかし現実の行政現場では、
- 人口減少による人手不足
- 業務の複雑化
- デジタル化への急速な対応
が同時に進み、「合格しただけでは即戦力になれない」状況が生まれています
実際に全国の自治体に調査を行ったところ、その多くが
- 変化するデジタル技術を前向きに活用しようとする姿勢や柔軟性
- 基礎的なリテラシーとデジタル思考
を重視していることが見えてきました。
そこで、本プロジェクトでは、公務員教育そのものを再設計しています。
- PCとデータの基礎リテラシー
- データを根拠に業務改善を考える力
- 部署異動や技術変化に適応し続ける学習姿勢
- 実際の行政課題を扱うPBL(課題解決型学習)
特定ツールの操作ではなく、「デジタルで考え、行動できる公務員」を育てるモデルです。

学生だけでなく、教員と学び方もアップデート
そして、この取り組みは、学生向けの授業改善にとどまりません。
例えば、以下のようなチャレンジが進行しています。
- 複雑化する行政課題を題材にしたケースメソッド教材の開発
- 動画を活用した授業と反転授業による主体的な学習環境の構築
- 公務員学科教員向けのIT・DX研修の計画
- 高校生に対して公務とDXの関係を伝える体験講座の開発
専修学校が「地域のDXハブ」になる
この挑戦は一校だけではありません。
全国15の専修学校・団体が、それぞれの地域産業と結びついたDX人材育成に取り組んでいます。
観光、医療、福祉、デザイン、IoT、生成AI、ウェルネス──
地域ごとの課題に直結した教育だからこそ、学びがそのまま地域の変革につながる。
専修学校を「地域のDX拠点」に変えていく全国的な実証が、いま進行中です。
参考
▼全国の事例集はこちら(日経BP)
https://project.nikkeibp.co.jp/bpi/seminar/19/tmext2024/jirei/
▼浦山学園の事業成果報告書はこちら
https://www.bit.urayama.ac.jp/data/6_information/mext/01/r06/report_r6.pdf
専修学校が「地域のDXハブ」になる
私たちはこれまで、企業や教育機関とともに、AI・データ活用と人材育成を推進してきました。
その支援の大きな特徴は「伴走型である」ということです。
つまり、一方的に答えや技術を提供せず、一緒に悩み進んでいきます
「教育と現場が互いに自立し、連携しあう」
その架け橋役として、私たちAvintonはサポートを行っています。

今回、国のプロジェクトの推進委員として関わることで、
- 教育設計
- 現場実装
- 継続的に学び続けられる仕組みづくり
を、より広い社会基盤の上で前に進めていきます。
Avintonジャパン代表 中瀬のコメント

私(中瀬)がこのプロジェクトに取り組むのは、日本の構造的な課題である地方のIT人材不足を解消するためには、「産学の連携」が不可欠だと考えているからです。
特に、時代の変化に対応した即戦力となるデジタル人材を育てるには、民間の新しいアイディアや人、そして現場の生きた情報を教育機関に届けることが極めて重要です。
Avintonはこれまで、「教育と現場をつなぐ伴走役」として、企業や教育機関とともにAI・データ活用と人材育成を推進してきました。
この経験を活かし、私たち民間の知見をより広い社会基盤の上で体系的に活用し、今後は以下の3点を前に進めていきます。
- 教育設計
- 現場実装
- 継続的に学び続けられる仕組みづくり
産学連携の力を通じて、地方からのIT人材不足という構造的な課題を解消し、「日本の公共と産業の未来を支えるデジタル人材」を地域から育てること、その変化を確かなものにすることが私たちの役割だと考えています。
地方から、日本の公共と産業の未来を支えるデジタル人材を育てる。
その変化は、すでに始まっています。









