はじめに
みなさん、はじめまして。2022年5月に入社したYです。現在通信キャリア様で業務改善のコンサルタントとして従事しています。過去のプロジェクトデータからスケジュール遅延のボトルネックとなっているタスクを洗い出し、分析するために統計学を学んでいました。
2023年5月に統計検定2級に合格することができましたので、私がどのように勉強を進め、どの参考書を利用したかを振り返ってみました。これから統計学を学ぼうとする方々の一助になれれば幸いです。
統計検定とは
統計検定は、一般財団法人 統計質保証推進協会が実施する、統計学の知識とスキルを評価する試験です。4級から1級までのレベルがあり、データ分析や解釈に必要な基本的な概念から応用的な方法までの知識が問われます。試験範囲には集計や確率、推測など多岐にわたるトピックが含まれます。中でも2級は大学基礎統計学の知識と問題解決力が求められ、一般に、「仕事で使える」とされるレベルは統計検定2級からと言われています。(参考:統計検定「検定種別」https://www.toukei-kentei.jp/exam/)
統計検定知識が活きる業務やキャリアの方向性
データを扱う業務全般に活きてくると思います。データアナリストやデータサイエンティストは言わずもがなですが、営業であれば月別、商品別の売り上げ推移から次に注力すべき顧客や商品の選定する際の裏付けとなります。コンサルタントであれば顧客に提案する案を導入した場合の効果を数値で示したり、どこに投資をすれば費用対効果が最も効率的かを比較することもできると思います。
よってどんな職種や業界であってもデータや数値は存在するので幅広いキャリアに活かすことができます。
統計検定勉強方法
それでは早速合格までに取り組んだことについて書いていきます。
勉強方法は大きく2つです。
- 参考書
- 過去問
それぞれについて詳しく書きます。
参考書
厳密には本ではありません。統計検定合格に向けた参考書はたくさんあると思いますが、私の場合は動画教材を使用してわからない部分をその都度ネットで調べて勉強していました。
動画教材 :統計検定®2級対策講座(https://www.udemy.com/course/toukei-kentei/)
※必ずセール時に購入しましょう(私は1,800円で購入しました)
参考サイト :統計学の時間(https://bellcurve.jp/statistics/course/)
統計ブログ(https://hsugaku.com/)
基本は動画教材で目と耳で体系的に学び進め、不明点の解決や知識の補完としてその他サイトを使用するという方法をとっていました。
私の場合は統計検定3級に既に合格していたので基礎知識は知っていましたが、学び直しができてよかったと感じています。
基礎知識なしで2級に挑戦しようという人でもこの動画教材と参考サイトを使用すれば問題なく合格できると思います。
また、小テストが単元ごとに付属しているので知識の確認をこまめに行うことができます。
過去問
参考書よりも重要なのは過去問をとにかく解くことです。参考書で理論を覚えただけで問題を解くことは難しいと思います。
試験では具体的な例や数値を用いているので、理論を応用する形で問題を解く必要があります。
統計検定公式HPに過去問と解答が掲載されています。(2018年〜2021年 計4回分)
それ以前の過去問については公式問題集として販売されており、統計検定2級 公式問題集[2016〜2018年]があります。https://www.amazon.co.jp/gp/product/4788925494/ref=dbs_a_def_rwt_bibl_vppi_i20)
過去問を解く上でのポイントなのですが、古いものから解くようにすると良いと思います。
試験の難易度が年によって異なり、過去問として最新の2021年6月分は過去最高難易度と言われており、あまり参考になりません。私が実際に受験した試験でも難しすぎて何もわからないという問題は出題されませんでした。問題の難度や傾向の観点から2011年〜2018年の過去問を解き慣れておくと、抵抗なく本試験を迎えることができると思います。
受験方法
受験の流れは次のようになっています。
- Odyssey CBTから受験する試験を選択
- 受験地及びテストセンターを確認(会場によって受験可能日時が異なるので気をつけてください。)
- 希望するテストセンターのサイトにアクセスし、それぞれの手順に沿って申し込む
- 試験日までにOdyssey IDを登録
- 当日の持ち物を確認して申し込んだ日時にテストセンターで受験
受験料は7,000円(学生は5,000円)で事前に申し込みの手順に従って支払ってください。
当日は写真付きの身分証明書と四則演算や百分率、平方根の計算ができる電卓(関数電卓は不可)を持参する必要があります。
筆記具は現地で貸出されますので必要ありません。
試験の内容について
統計検定2級の試験範囲は広範囲に及びますが、出題傾向があります。
問題量としては35問程度で合格には100点満点中60点以上必要です。問題によって配点が異なるということはないので、一つでも多く正答する必要があります。よって、よく出題される確率の問題には多くの時間を対策に費やす必要がありますが、適合度や独立性の検定はそれほど注力しなくてもいいと言えます。
全体として言えることはそれぞれの分野についての問題は数字こそ違えど解き方には大差ないので、ある程度自分の中でパターン化しておくと時間の節約にもなります。
そのためにも過去問を解き慣れておくことが重要と言えます。
実際に合格してみての感想
上記の勉強方法を実施し、合格しましたが、実務で使えるかと聞かれるとそうでもないかなというのが正直な感想です。統計学自体の研究をするのであればその知識の確認として有用かもしれませんが、実務で使用するとなると話は別です。
実際の数値やデータは整理されていませんし、実際に検定を行い、結果が得られたとしても大切なのはその結果を元にどうするかという行動です。
統計検定の勉強を経て培った知識を実務で活かせるかどうかは、データを理論に当てはめた結果から次の行動への指針を得る訓練を日常的に行うことにかかっています。
統計検定合格が目標なのではなく、あくまで仕事やキャリアのための通過点であるということを自戒の念も込めて認識しておこうと思います。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
実務に活かす方が重要と書きましたが、合格することでやはり自信にはつながりました。
なんとなくで仕事での提案をするのではなくデータでの裏付けがあると説得力が増し、それが統計学を身に付けた人間であればより信憑性があると思われるはずです。
この記事を読んでくださった皆様のキャリアがより明るいものになることを願っています。