背景ーなぜ今真鶴町で産官協力のイベントを開催するのか:
私たちは、未曽有の時代を生きる中で、単に技術を開発し提供するだけではなく、自ら考え、手を動かして問題を解決できる人材の育成が必要だと強く感じています。イノベーションは、一企業の内部だけで生まれるものではありません。行政、民間企業、地元の農家など、様々なセクターが連携し、共に活動することで、課題解決への糸口が見つかると信じて活動しています。
この度、このような考え方に強く共感して下さったNECネッツエスアイ株式会社(以下NESIC)へ教育プログラムの提供を行うこととなり、今回はそのプログラムのキックオフイベントを神奈川県西部に位置する真鶴町にて実施することとなりました。
2022年よりAvintonはNESIC様、および真鶴町との交流を深めてまいりました。
【ブログ】2022年よりAvintonが真鶴町を応援開始
https://avinton.com/blog/2022/09/avinton-sdgs-project-with-manazuru/
【ブログ】大手IT起業のNECネッツエスアイ様がイノベーティブなエンジニア人材育成のためにAvintonアカデミー(技術研修)を真鶴町で提供
https://avinton.com/blog/2022/11/avinton-academy-in-manazuru/
【ブログ】IT企業はメンタルヘルスのために何ができるか?農業をはじめてみた
真鶴町で開催した農業×エンジニアイベント概要:
Avintonは2024年度にNESICのエンジニア人材育成とアントレプレナーシップの開発を目的とした教育プログラムを提供することとなりました。今回はそのキックオフイベントを開催致しました。
まずはイベント会場となった真鶴オリーブガーデンを紹介させて下さい。
こちらはオーナーの山平さんが2015年に神奈川県真鶴町の活性化に向け、山林化した遊休みかん農地を自分の手で木の伐採から整地を行いオリーブ畑へ再生した場所です。オリーブの栽培に加えて環境教育や地域の皆様とのコミュニケーションの場とするなど多目的な活用を目指しています。
オリーブガーデンではオリーブオイルではなく、オリーブの葉っぱから作られたパウダーを製造しています。オリーブの葉っぱは古くから薬として使用されてきた歴史もあり、なんと赤ワインよりも多くのポリフェノールを含む健康食品なんだそうです。そのパウダーを使ったお茶やお菓子の販売を通じて人々の健康にも貢献されています。
現地に行った感想としては、山の中に急に出現する日光を浴びて伸びるオリーブの木々やガーデンの目の前に広がる太平洋など、絵画のように美しい景観に心が洗われるような感覚になりました。
イベントの最初はオリーブガーデン内の事務所にて、各参加者からの組織紹介を行いました。
NESIC様からは会社の概要に加えて、カーボンニュートラルを目指す取り組みのご紹介、オリーブガーデン様からは、BBQ場やオリーブ茶やお菓子の販売を行うオリーブスタンドを運営する観光農園事業、人が集まる場としてのサードプレイス構想等もお話頂きました。
真鶴町役場様からは町の概要に加えて、岩ガキの養殖、美の基準、移住誘致、サテライトオフィス誘致、真鶴ミナトラボなど過疎化改善に向けた豊かな取り組み事項をご紹介頂きました。
Avintonからは、会社紹介と開発中のリモート水やりシステムの紹介をしました。温度、湿度、土の水分量などをモニタリングするシステム、物や土の様子を観察するための監視カメラ、そしてブラウザから遠隔操作で水やりが出来る様子を実演致しました。
今回の教育プログラムでは座学の学習だけでなく、このシステムへの機能実装という実践を通じて、AIやIoTソリューションの構築を学ぶことで理解度定着、スキルの実用性を高めることを目指しています。
ここからイベントは3つのチームに分かれて、作業に取り組みました。
水やり用チューブの配線!
トマトの種植え!
大根の収穫!
普段の業務に比べて大分ワイルドなアクティビティに戸惑いながらも楽しく親交を深めることが出来ました。
最後は焚火を囲みながらのトークセッション
- 管理職の皆様はアカデミーの参加者およびAvintonに何を望んでいるのか
- 逆に参加者は何を感じているのか
- 今後の研修を成功させるにはどうすればよいか
などお互いの考えや想いを共有しました。
火を囲んでいると自然と穏やかな心で本音で話せるような気がすると好評でした。
最後に:課題解決型のエンジニア育成会社を目指して
普段と大きく異なる環境でイベントを行ったことで、私たちの議論と交流が格段に活性化したことを実感しています。特に、「今後は単にプログラミングができるだけのスキルの価値は低下し、課題解決のための機能を設計し、実装する能力や、未知の事項を自ら調査する力がより重要になる」という見解に深く共鳴しました。このような能力を育成する教育プログラムを、協働と連携の精神のもと、オープンイノベーションを推進しながら共に構築していくことで、お客様だけでなく、関係者全員が共に成長し、豊かになれる取り組みにしていきたいと考えています。