目次
このブログ記事では、Avinton Japanで働く新卒エンジニアとして3年目の成長をご紹介します。自動車メーカーでの経験から得た学びと、Avinton Japanでどのように成長しているかについて語っています。
今回は、自動車業界の常識を覆す、AIと車載OSの革新的な技術から生成AIの台頭によりエンジニアの働き方がどう変わっているのか、そしてどのようにAIを使いこなし自分自身の考え方や仕事の仕方を変貌させていっているのかをまとめてくれました。
1.新卒エンジニア3年目-現在の職務内容
私自身これまで何回か当社のブログ記事を書いています。過去の経歴などは過去記事「ロボット開発の夢を追い求めるエンジニアブログ」にてまとめていますので良ければご参照ください!
現在私は大手自動車メーカーにてインフォテイメントシステム(IVI)の開発や評価を担当するエンジニアです。“インフォテインメント”とは日常生活ではあまり馴染みのない言葉ですが、具体的には自動車にインフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)の機能を幅広く提供するといった意味で、ナビゲーションをはじめ位置情報サービス・TVやラジオ機能のほか、車内通信(Wi-Fi/Bluetooth)、音楽や動画などのマルチメディア再生(Audio)・音声認識等多岐に渡ります。その中でも私は診断機能(Diagnostic)と言う、工場出荷時に車の各機能の調整を行ったり、自動車の各コンポーネントの故障状態を診断および記録する機能などを主に開発する部署に所属しています。
2.自動車業界の実態と現在
エンジニアとして自動車業界に関わるのは今回のプロジェクトが初めてでしたが、いざ飛び込んでみると様々な面白い発見がありました。
今回は代表例としてOTAと車載OSについてお話できればと思います。
1.OTA
OTAとはOver-The-Airの略称で、無線通信を経由しデータを送受信する技術を使うことでソフトウェアリリース後もアップデートし続けることが可能な技術です。
テスラやBYD等の海外メーカーでは既に一般車両向けにリリースされているものもありますが日本メーカーも負けじと開発を行っている領域です。
2.車載OS
スマートフォンにおけるAndroidやiOSといった共通OSのように最新のクルマにもOSが必要だという発想により、現在各自動車メーカーは次世代の車載ソフトウェア開発プラットフォーム開発を行っています。
その結果ハードウェアとソフトウェアを分離させることとなり、ハードウェアを変更するたびに必要であったソフトウェア開発が必要なくなりアプリ開発の自由度が高まっています。
このように車の表面上一見変化がなくても自動車内部の変化するスピードは激しく、現にテスラなどの海外メーカーはOTAを極めた結果以下動画のようなパフォーマンスを行う車を開発するまでに至り、自動車というよりはハードウェアとしての限界に挑んでいるようにも見えますが、これもOTAと車載OSが無ければ生み出せなかったものとも言えそうです。
3.新卒エンジニア3年目となる自分の目標
昨今ChatGPTをはじめとした大規模言語モデル(LLM)が台頭していますが、これらの時代背景から今の自分は技術や製品、またそのサービス内容に対する認知幅を増やす事が目標です。以下にそのように目標を設定した理由を話します。
最近現場で働いて感じる事として、お客様の要件として求められている内容が「知識の深さ」ではなく「知識の繋がり」にシフトしているなと感じます。人間の発想として前者の”深さ”はAIに簡単に質問できるようになりました。、例えば私自身も、問題発生時の論理的思考中、自身が理解不足または不知の知識はググるなりChatGPTに質問すれば簡単に答えを得られるようになりました。
しかしながら、どのようにしてコンポーネント同士が繋がっているのか(How)、なぜ両者のコンポーネントが繋がっているのか(Why)を説明できる人はほとんどいません。仕組みが分からなければ問うべきはずの質問が浮かばないことから、ChatGPT等のAIプロンプトに対し文字が打てません。経験はもちろん重要ですがこのような全体像および繋がりを説明できる力を身につける事ができれば将来社会からより重宝される存在になれると考えたからです。
先日とある大学教授の方とお話する機会があり私自身大変勉強になったのですが、その中でも「見えていないものを見る力の大切さ」と「プロダクトが与える社会的意義を考えることの大切さ」の二つのトピックがこれまで書かせて頂いた内容が合致すると私は考えています。
以上の習慣を身につけることで、お客様自身が気づけなかった問題の根本的原因にアプローチできるよう取り組んでいきたいと考えています。
4. これから伸ばしていきたい技術
これから伸ばしていきたいスキルは以下の3点です。
①組み込みLinuxの起動シーケンス
②Linuxシステムコールの基礎
③RustとFlutterの文法習得
①は前職でかなり携わる機会が多かった領域で、ファームウェア業界では欠かせない知識となっています。私が前回のプロジェクトで関わっていたAIカメラとは違い、CPUやメモリのリソース・チップのパフォーマンス等の規模感が違うため全容を掴むのに苦労していますが(笑)、めげずに関わっていきたいと考えています。
②Linuxシステムコールについては最初何の事かよく分からなかったのですが、自動車業界の実態と現在でお話させて頂いた通り組込機器のOS化がトレンド化している昨今の事情により(参考記事)、システムコールの重要性がますます重要視されている背景もあることから重要項目の一つとして挙げさせて頂きました。
③RustとFlutterの文法については自分のこれからの目標とも関係してきますが、自分はBE担当として業務に携わっていますがFE/BE問わず技術を身につけたりしていけたらと思い、積極的に関わっていけるよう取り組んでいます。
5. 最後に
ブログを半年ぶりに書くにあたって自分の過去記事に目を通して第一に感じたことは「たった半年間だが自分の中の認知を増やすことで将来自分の行動の方向性がここまで変化している」ことに驚いたことです。
新卒エンジニア3年目となる自分の目標でも書かせて頂きましたが、現在の既存のやり方・あり方に囚われない人材になれるよう引き続き頑張っていきたいと思います。
私の過去のインタビューはこちら
Avintonは「常に高い志と使命感を持ち、従業員の幸福、事業と価値の創造に挑戦し続け社会に貢献します」というコーポレートミッションを掲げています。このミッションを達成するためには、エンジニアが成長し続けることが必要不可欠です。新卒やAI、データサイエンス未経験者も多いAvintonのエンジニアがなぜこの難しい業界で活躍できるのか、その研修プログラムについて説明します。
2022年にAvintonに入社し、AIカメラや測量機のプロジェクトに参画。現在は自動運転やロボティクスに興味を持ち、Python案件を目指して学習中。ロボット開発に携わりたいという夢を追い続けるAvintonメンバーのキャリアと学びを紹介します。
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