それではVPCとEC2を利用し、ネットワークとサーバーを構築しましょう。
下図のように、インターネットと通信できるパブリックサブネットを切り、1年間無料で利用できるt2.microインスタンスを立てます。安全に運用できるようセキュリティーグループも適切に設定します。
アカウント作成と基本的なセキュリティ設定はAWSアカウントの作成と必ずやるべきセキュリティ対策をご覧ください。
1. まずネットワーク部分を作り込みます。マネジメントコンソールへログインし、VPCを検索します。
2. VPCのダッシュボードより、「Start VPC Wizard」をクリック
3. パブリックサブネットを含むVPCを作成します。
4. VPCの名前とCIDRブロック、AZ、設置するサブネットのCIDRを設定します。IPアドレスの数には限りがあるので、CIDRは必要最小限の範囲を設定するのが望ましいです。また、社内のDCやオフィス、家庭内LANと被らないアドレス帯を設定しましょう。
5. VPCとサブネットが無事作成されたことをダッシュボードから確認してください。
■VPC
■サブネット
6. VPCを作成するとインターネットゲートウェイが自動でアタッチされるので、そちらも確認してみてください。
セキュリティーグループはAWSにおけるステートフルファイヤウォールです。インスタンスを作成する前にあらかじめSSHとHTTP、HTTPSの通信のみ許可しておきましょう。
EC2のダッシュボードを開き、左カラムからセキュリティーグループをクリックします。
作成ボタンをクリックし、インバウンドルールを下図のように設定しましょう。前項で追加したVPCの選択を忘れずに。
EC2で建てたインスタンスへSSHするために、あらかじめSSH公開鍵を登録する必要があります。
AWS側で自動作成されるものを利用しても良いですが、可能な限り安全に利用したいので、あなたのPCで作成した公開鍵を登録しましょう。
ターミナルから下記コマンドでキーペアを作成します。
ssh-keygen -t rsa -C "Your mail address or a comment" -b 4096
~/.ssh ディレクトリ配下に秘密鍵(id_rsa)と公開鍵(id_rsa.pub)が作成されたら、公開鍵の中身をコピーし、EC2へ登録します。
1. いよいよインスタンスを建てます。EC2のダッシュボードから「Launch Instance」をクリックしてください。
2. AMIを選択します。AMIとは、OSや必要なアプリケーションが格納されたマシンイメージです。ここではAmazon Linux 2を選択します。
3. インスタンスタイプは1年間無料で利用できるt2.microを選びます。
4. インスタンスが属するネットワークなどを設定します。前項で作成したVPCとサブネットを選んでください。
また、このインスタンスにはインターネット通信を許可したいので、Auto-assign Public IPを
Enableにし、インスタンスにパブリックIPが自動で割り当てられるようにします。
また、誤った操作でインスタンスを削除してしまわないよう保護機能を有効にしておきましょう。
5. ストレージの設定を行います。デフォルトでは容量が8GBとなっていますが、少し心もとないので30GBにしましょう。30GBを越えると無料枠から外れるため増やしすぎないよう注意してください。
6. タグを追加します。タグはなくてもいいですが、使用すると作成したインスタンスに対して所有者や目的などで分類することができます。ここではownerとuse_forというkeyに設定し、所有者と用途がわかるようなタグを追加しました。
7. 次はEC2に対してセキュリティグループを設定します。前項で用意したセキュリティグループをアタッチしてください。
内容を確認し、次へ進みます。
8. 最後に、インスタンスに対してSSHするためのキーペアを設定します。前項で登録したキーペアを選び、完了です。
9. EC2のダッシュボードへ戻り、あなたのインスタンスを確認してください。
1. 下記コマンドでインスタンスへSSHしてみましょう。
ssh -i "~/.ssh/hogehoge" user@fqdn
• hogehoge = EC2へ登録時に作成した秘密鍵
• user = ec2-user
• fqdn = 作成したインスタンスのパブリックDNS
パブリックDNSはインスタンスの詳細情報に記載されています。
無事にSSHできましたでしょうか。SSHに失敗する場合は下記の点を見直してください。
• 上記コマンドで指定したユーザー名とパブリックDNSが正しいこと
• 上記sshコマンドで秘密鍵が正しく指定されていること
• EC2へ登録したキーペアは正常であること
• セキュリティーグループのインバウンド設定
SSHできた場合は下図のようになります。
AWSのVPCとEC2サービスを利用し、ネットワークとサーバーの構築手順をまとめました。
1. VPCでネットワーク構築
2. セキュリティーグループの設定
3. SSHキーペアの作成と登録
4. EC2でインスタンスの作成
次回はインスタンスへ入り、初期設定を進めていきましょう。
>>Amazon EC2 インスタンスの初期設定をしよう
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